ちょっと前に「事業仕分け」が話題にあがりました。本当に必要な事業かどうかの見極めをかなり気まずーい感じでしていましたよね。ちょっと乱暴やなぁという気もしなくもないですし、仕事から帰ってきてあの仕分けシーンをみていると、なんか残業してるような気分になりましょね。もしああいうつっこみ方をされたら……恐ろしいですよね。
仕分け会議のように、最初からつっこむ気マンマンで、腕組みなどしながらつっこみどころを探すような人は、つっこむのが目的になってしまっていて、そこに論理などという高級な知的機能は介在していません。そもそも、そこに至るまでにつっこみモードに入られないよう、さまざまな戦術を実行しておくべきなのですが、今回は、年度末ということで、不幸にも「仕分け」られそうになったときの防戦術について考えていきたいと思います。(手遅れだったらごめんなさい……)
事業にどう貢献するかについて具体的に書くべき
今回は、行政仕分けでも話題になっていた研究開発系のお仕事について考えてみます。「いつまでにどれくらいの効果が出るのかを試算するのはなじまない」的な反論をしても、それが正しいかどうか以前の問題として、無駄です。「なじまない…じゃなくて社会人なんだからなじんでよ!」と言われてしまうだけなのですから……社会人ってなんて厳しいんでしょう、と思うかもしれませんが、逆に「なじんで」いれば、わりと許されるので安心してくださいませ。
とりあえず、事業への貢献具合をうまくアピールする方法について考えていきましょう。
(1)無理矢理でもいいから具体的な数値に落とす
根拠なんて、あってないようなものです。未来のことなんて誰にもわからないからです。実際に商品やサービスを世に出してからの実績数値は動かしがたいですが、それ以外は、前年度数値から適当に「まあ1割増しくらいかなー」みたいな感じで足していくしかないので、根拠のある数値が出せそうにないからといって、「数値はありません」などと言うのは損です。数値はどういう根拠で出したのかを明記しておけばいいだけの話です。「数値を出したら後で責任を問われるのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、数値化しないことで後々仕分けの刑に処せられるよりは安全、とお考えいただければと思います。数値を算出せずに仕事をしていたら、それはそれで責任を問われる危険性もありますし。
どうしても安全策を採りたいのであれば、少なめに数値を出しておけば大丈夫です。
さて、数値の落とし方ですが、過去の実績から似たようなものを取り出してきて、市場の状況などで「何割」という形でかけていけば、それらしき数値が出てきます。たとえば、瞬間移動マシーンを研究開発しようと思う場合はこんな感じでしょうか。ちなみに、今本当にやっても成功するイメージはあまりないですが、それでも下記の要領で書いておけば、それなりに形になります。
日本の飛行機の乗客数が8000万人として、1回10万円としたら、売上は800兆円に達し・・・・
・・・・などと書いておくと、信ぴょう性は正直言ってアレですが、少なくとも何もないよりはマシです。実際にソロバンをはじいてみると、「まあ儲かるとは思っていたが、ここまで儲かるんだ」と実感できるので、とくにリターンが大きいものについては数字を出してみるということが非常に重要になってきます。
実際のところ、がんばって数値化しても、特に新しいタイプの商品については、そんなに精度の上がるものではありません。どんなに緻密な計算をしたとしても、不確定要素はたっぷりあります。その意味では、上の算出方法もそんなに無茶苦茶であるとは言えない、というか、無茶苦茶じゃない算出方法などないのですから、手ぶらで挑むよりは、現時点で確信の持てそうな数値を用いていくくらいしかありません。
(2)言い方も工夫すれば論理的に見えます
たとえば、予測を書く場合は、「~と見ています」などの言い方ではなく、「~と試算しています」と言っておくと論理的に見えます。実際、計算機をガシャガシャしているわけで、試算している以外の何者でもないわけですから、堂々と書いてしまって大丈夫です。
また、「だいたい○円」などの口語的表現は、「約○円」などに直していけば、予測に信ぴょう性が生まれます。というか、信ぴょう性がありそうな資料は、およそこのようにして作られているものなので、その意味では、論理的に見える、というか、まさに論理的な資料の作り方でもあると言えるでしょう。
(3)「もしなかったらこうなる」方式も有効です
また、積極的に「この企画をすることで、○○円の利益が」とか「○○円のコストダウンが」などと言えない場合もあるでしょう。事業貢献が見えにくい仕事がどうしてもあると思います。たとえば身近な例で言うと、酸素は、あまり意識されてないのですが、ないと死んでしまいますよね。このようなものは、「もしこの仕事をやめたら、○○がなくなってしまう」という論法を用いていけば活路が見出せる場合もあります。



