A.五感を働かせて会社の素顔を観察することも大切
転職を志す理由はさまざまあるが、あえて苦言を呈すれば「最初の会社選びの失敗」がもともとの原因である例が多数を占めるはず。それを考えれば、どこまで「会社選び」に慎重になれるか……が、転職成功のカギだと言ってもよいだろう。失敗を繰り返せば、採用されても再び求人情報を探すハメになりかねないからだ。
よく「いい会社」「悪い会社」といった形容をするが、いいか悪いかは本人次第。自分が重視する価値基準に合う会社を選べたか……というマッチングがすべてだ。実際、同じ会社に勤務していても、裁量権が大きく給与水準が高いことで「やりがいがある」と感じる人もいれば、日々の残業に疲れて「劣悪な労働条件」と感じる人もいる。
会社選びの選択基準ついてはQ.いい求人企業を見つけるコツってある?に基本項目を記した。それらに加え、とりわけ技術系の職種ではキャリアステージとのマッチングも欠かせない重要要素。その注意ポイントをまとめたので参考にしていただきたい。いずれも個別に詳細を尋ねるなど、関連事項を確認しないとチェックが難しいので面接がそのチャンスになる。
面接担当者の態度にも人材活用の考え方がにじみ出る
会社に対する確認質問を行う際の注意はQ.面接でこちらから会社に質問するコツは?に前述した。尋ねても面接担当者が回答を渋ったり説明があいまいであったり、話の筋が通らないといった場合は何か問題が隠されているケースもある。
面接対応には社風や経営方針、人材活用の考え方もにじみ出てくるもの。とくに配属部署の役員や上司との面接では、その態度や発言にも注意したい。やたらと威丈高な圧迫面接に過敏になる応募者は多いが、それと同様に警戒したいのは協力会社を「下請け」「業者」と呼んだり部下の欠点をあからさまにあげたりする例だ。そうした言動は、応募先企業における上下関係の表われだと考えるべきだろう。
そのほか、面接で次のような場面に出会ったときにも警戒しよう。
職場が発している小さな危険サインも察知したい
また転職面接は、別の会場ではなく応募先企業で行われるのが普通。職場の雰囲気をつかむ絶好のチャンスだ。面接の際に「業務に差しさわりのない範囲でよいので……」などと職場見学をお願いするのは基本のノウハウとも言える。配属部署を見せていただくのがベストだが、それが不可能なら別の部署であっても構わない。壁に貼られたポスターや実績ランク表など、掲示物ひとつからも社風が垣間見える。
職場見学で注目したいのは社員の様子だ。受付の応対が気持ちよいかどうかも参考要素にはなるが、自分と同じ職種の社員が働く様子を見れば、入社後の勤務イメージをつかみやすい。当然ながら、社員と目が合ったら無言で会釈するのが最低限のマナーだ。
その結果、上司がいても気さくに声をかけてくる社員がいる職場もあれば、目礼を交わしただけで作業に戻る職場もあるなど、反応から伝わってくるものもある。また社員たちが“見学者”に関心を持つ余裕もなく作業に没頭していたり、デスク間も小走り状態で移動していたりする職場なら、仕事量はかなり多いと考えてよいだろう。
そのほか空きデスクが目立つ、掃除が行き届いていない、どうも落ち着きやまとまり感に欠けた印象を受ける……などは、財務状況の困窮を示していることもある。五感を働かせることで、職場が発する小さな危険サインも見逃さないようにしよう。






