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タグ: 起業 店舗経営
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 今回は、江戸の趣きある街・神楽坂にベルギービール・バーを開店した西條真弓さんのお話です。アルバイトとして勤めたバーで正社員となり、11年間の店長経験を経て、独立。「自分の好きなお酒を選び、お店に置く」というスタイルを貫き、ファンも増えています。



姉妹が切り盛りする神楽坂のベルギービール・バー

 江戸の歴史残る街・神楽坂のある小路を行くと、12センチ四方の小さな看板に行き当たる。看板横の階段を上がった2階にあるのは、西條真弓さんが開いた隠れ家風バー「Beer bar Bitter」だ。

 カウンター8席、三角テーブルに4席、そしてスタンディングスペース。常時70~80種類のベルギー、チェコ、ドイツ産ビールが1杯800円から楽しめる。お客様の好みにも配慮して、日本産ビール、焼酎、ウイスキー、リキュールも常備。「私が美味しいと思う、気持ちの入ったお酒だけを並べています」

 料理はビールに合う、400~1,200円と手頃な20数種類。酒も料理も接客も、すべて西條さんと妹の照子さんが切り盛りする。お客様の顔ぶれは、会社帰りにふらっと1人、2人で立ち寄る人、神楽坂ではしご酒する人、夜12時以降は周辺の店の主人やスタッフ……、時間帯によってさまざまだ。

 静かな語り口の西條さんはカウンターに立つと、気持ちのスイッチが切り替わる。「私にとって、バーのカウンターは“舞台”。普段静かな役者さんも舞台に立つと、役柄に入り込むそうですね。私もお店に入ると、バーテンダーという役になりきります。店以外の私を知る人には、『全然違う人みたい』と驚かれます」

大学3年生で出会ったベルギービールにのめり込み、専門店に就職

 西條さんが「お店をやりたい」と思ったのは子ども時代。お気に入りの遊びは“お店屋さんごっこ”だった。夕飯の買い物に連れられて行く、魚屋と果物屋が大好きだった。魚屋のおばさんは調理した魚を食べさせてくれ、西條さんが描いた絵を店に貼ってくれた。果物屋では袋詰めを手伝うことに夢中になった。地域に馴染んだ店には、店主と客との間に温かい会話があったのだ。

 学生時代、アルバイト後に仲間で飲みに行くことが楽しかった。「お酒は、これほど皆を楽しい気分にさせる。『私がやりたいお店はこれだ!』と確信しました」

  ベルギービールにで出会ったのは、大学3年生のとき。ビールと料理を提供する店「ブラッセルズ」でシメイレッドを飲み、その美味しさにカルチャーショックを受ける。「バラエティに富んだ味、ビールごとに違うグラスがあり、楽しさと衝撃を覚えました」

 ベルギービールのメーカーは、かわいいロゴが描かれた、形状の違うグラスを各々用意している。醸造所のビン詰め段階で酵母を入れて、ビンの中で二次発酵させる。グラスは発酵後のオリが溜まるように底が丸く、香りを溜めるためにワイングラスのように口が広がっている。遊び心と実用性を兼ね備えているのだ。そんなベルギービールの奥深さに、西條さんはのめり込んでいった。

 当時西條さんは、チェーン飲食店、おでん屋、郵便局、倉庫での袋詰め、空港売店、遊園地等さまざまなアルバイトを経験していた。多くの分野に触れたが、強く興味を引かれたのはベルギービールだった。就職先を探した大学4年生の夏、「やはり将来はお店を開きたい。どこで修行しようか」と考え、「ブラッセルズ」が頭に浮かんだ。飲食店以外の就職先は考えられない。卒業後はそのまま同店に就職した。「自分の人生は、他人に決められたくない。自分で決めたことを貫き通せないなら、どこに行ってもダメだなと思いました」(次ページへ続く)





著者プロフィール
滝岡 幸子(タキオカ サチコ)

経営コンサルタント・中小企業診断士、有限会社ポテンシャル 代表取締役、『ひとり起業塾』主宰。
大手外資系コンサルティング会社を経て独立。中小企業向けの経営コンサルティング業務を中心に、新規事業開発、企業研修、講演、各種メディアでの執筆連載など多方面で活躍中。小資本、低リスクで身軽に起業するノウハウを伝える「ひとり起業塾」を主宰。著書に『図解 ひとりではじめる起業・独立』(翔泳社)、『はじめよう!移動販売』(同文舘出版)がある。






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