人生を自分でコントロールする
今回のテーマは「キャリアプランニング」。前回までの「ストレスコーピング」よりは、なんとなく耳に馴染みのある言葉ではないでしょうか。このウェブマガジンの名前も「CAREERzine(キャリアジン)」ですが、「キャリア」という言葉には、「仕事」や「職歴」をはじめ、いろいろな解釈があります。一部の国家公務員のことを「キャリア組」、「キャリア官僚」なんて呼んだりもしますね。
私が取り組んでいる仕事の1つに、スポーツ選手のための「キャリアトランジション」の研修や勉強会があります。これは、現役引退という転機(トランジション)を迎えた選手が、その後どのような道を歩んでいくかを考えるというもの。プロのアスリートだけでなく、アマチュアのオリンピック選手なども対象となりますので、この場合、「競技」というキャリアは「仕事」ではありません。では、キャリアとは何か。私は、「自分がやりがいを感じていること、専心していること」すべてを、広義のキャリアと呼んでいます。

みなさんも、これまでに何度もトランジションを経験しているはずです。就職・転職はもちろん、高校や大学進学時の進路選択、結婚や家族の病気といったプライベートな出来事も、重要なトランジションといえるでしょう。そのような人生の節目節目で「正しい悩み方」をするために、キャリアプランニングのスキルが役立ちます。
たとえば、陸上部に所属している中学生が、陸上の強い高校に行くべきか、あるいは学業を優先して進学校に行くべきかと迷いながら進路を考えることもキャリアプランニングの1つ。もっと大きな視点でいえば、「自分の人生をプランニングすること」がキャリアプランニングなのです。前回まで3回にわたって紹介してきたストレスコーピングは、ストレスを自分でコントロールするためのスキルでした。それに対して、キャリアプランニングは「人生を自分でコントロールするためのスキル」といえます。
自分自身を知ることからキャリアプランニングは始まる
とはいえ、いきなり「人生をコントロールする」なんて大それたことをいわれても、ピンとこないかもしれません。もっとシンプルに、「自分の価値観に合った道を選ぶ」と考えてもよいでしょう。
そのためには、当たり前ですが自分の価値観を知っておかなければいけません。自分のことながら、意外とこれがわかっていないケースが少なくないのです。「自己探求」あるいは「自己認識」という言葉がありますが、改めて自分と向き合って、自分自身を理解することが、キャリアプランニングの基本中の基本です。


