通勤時間だけ歩けば変わる! 金哲彦直伝のウォーキング術

ぽっこりしたお腹やパンパンの足を見るたびに、「運動しなきゃ」と思いながらも、時間がないのを言い訳にいつまでたっても始めない。そんな人たちに喝を入れつつ、効果的なウォーキングの方法を指導してくれるのが、カリスマランニングコーチ 金哲彦さんだ。
自らも長距離選手として活躍、箱根駅伝では二度の区間賞を獲得した。指導者となってからは有森裕子選手、高橋尚子選手らを育成。スポーツ界でも華々しい実績を残しているが、ビジネスパーソンとしても超一流である。
就職したリクルートでは、なにもないところから「リクルートランニングクラブ」を立ち上げ、実業団化に成功。退職後は新たなスポーツ団体のモデルを模索し、NPO法人「ニッポンランナーズ」を設立。現在のランニングブームを生んだ。大好きな「走ること」を軸に、常に新しいことに挑戦し、自らのキャリアを切り開いている。
現在は市民ランナーの指導も手がけ、仕事と運動を両立する人たちを多く知る金さん。「運動のある生活」に二の足を踏むビジネスパーソンの魂に火をつけるような、熱いメッセージをいただいた。
――スポーツ界でもビジネスパーソンとしても活躍されました。その根底には、やはりスポーツで鍛えた精神力が関係しているのでしょうか?
運動している人間には、体力面ではもちろんのこと、精神的にも有利な面があると思います。たとえば、会社に営業担当者が100人いたとして、そこで成績が50番目だったら、とくに問題なく仕事が続けられるでしょう。でもアスリートは、トップ3しか評価されない。そして、一度1位になるとそれをキープしなければならない。2位になれば、「落ちた」「負けた」といわれるんです。そういう世界で戦っていると、自分に妥協しないし、どこまでやっても満足できなくなります。
こうして自分を追い込み、過酷な経験を積み重ねていくと、耐えられることのレベルが上がって、多少のことは平気になるんです。それがアスリートが仕事面でも強い秘訣でしょうか。
NPO法人の立ち上げは37歳のときで、普通なら新しいことをやるにはためらう年齢かもしれません。けれど、「いままで自分がやってきた『走る』ことを継続したい」という強い気持ちがありましたね。そのために市場がなければ、作るんだと。
いまでは市民ランナーも増え、ランニングは一大ブームです。指導しているのは意識の高い方が多く、仕事をしながら記録を目指す姿に感動しましてね。彼らの時間の作りかたですか? 生活に運動を取り入れることで、かえって仕事の効率が上がったという声を聞きます。余った時間を使って走るのではなく、スケジュールにあらかじめ予定を入れて、そこまでに仕事は終わらせるんです。仕事で問われるのは、時間でなく質ですからね。(次ページへ続く)



