経済アナリスト森永卓郎登場!エンジニアがサバイバルするには?

CAREERzine読者の皆さん、はじめまして。経済アナリストの森永卓郎です。このたび、CAREERzineにて連載コーナーを持つことになりました。主にエンジニアなど、IT業界で働く方たちに向けてのメッセージを送りたいと考えています。よろしくお願いします。
今では経済アナリストとして好き放題に発言している私ですが、実は、ITとは無縁でありません。若いころはシステム開発会社に研究員として勤めていたので、自分でプログラムを書いた経験があります。
当時はまだ、「◯◯するのがエンジニア」というふうに、職種と役割が明確ではない時代でした。たとえば経済モデルのシミュレーターを作るのに、私は自分でプログラムを組んでいました。とはいえすべて独学でしたから、いざシステムができて走らせてもまったく動かず、友人のエンジニアに見てもらったら「ここ間違ってますよ…」なんて指摘されることは、日常茶飯事でしたけど(笑)。
現在はプロの方に作っていただいていますが、私のホームページも当初は自分で作り上げました。もっともこちらもプロの方に見せたら「こんな汚いプログラムはいままで見たことがない」と呆れられてしまいましたが…。
エンジニアを取り巻く環境における2つの変化 言語と思想
今回、まずお話したいのは、エンジニアを取り巻く環境についてです。現場で働いている方は肌で感じていらっしゃるかもしれませんが、いまこの業界に大きな構造変化が起きつつあります。
ひと昔前のエンジニアの働きかたは、どちらかというと建築業者に近かったと思います。代表的な例を挙げれば、COBOLという言語を使い、銀行の勘定系のシステムを作る仕事です。そこには真新しい技術革新などはなく、ゴールも明確で、行き着くまでに人員をこれだけ導入して、あらかじめ組んだスケジュールどおり進めていけば、おのずと結果が見えてくるといった具合でした。まさに、ビルを造るような感覚で働いていたはずです。
ところが近年、大きな変化が起きました。その1つが言語の進化です。常に新しいものをキャッチアップしていかないと、トレンドについていけなくなっています。
もう1つは、思想の変化です。私がシステムを組んでいた1980年代は、いかにメモリを節約するかが大きな課題でした。そのため、プログラムをギチギチに詰めて書くほうがよいとされていました。とにかくコンパクトに動けばよかったのです。しかし今は、多少は無駄があってもいいから、むしろ後からメンテナンスがしやすくて、他のエンジニアが見てもわかりやすいプログラムを書けという時代になったのです。
これは、自動車を例に考えるとわかりやすいでしょう。昔はコストがかからない作りを必死に考えていたのが、いまはリサイクルがあるので、後で解体しやすい構造を念頭に設計しなければいけません。つまり、時代の流れとともに、作る人の思想にも変化が求められるようになったということです。(次ページへ続く)



