2010年問題勃発! 企業をおびやかす「ゆとり社員」とは?
「ゆとり第一世代」こと、2010年度の新入社員が入社してはや3ヵ月。皆さんの職場では、彼らは活躍しているだろうか。それとも悩みのタネになっているだろうか。
ゆとりとは、いわゆる「ゆとり教育」のこと。2002年度(高等学校は2003年度)にはじまった、ゆとり教育のもとに育ってきた最初の世代が、今春、大学等を卒業し、社会人となったのである。ゆとり教育は学力低下につながるなどと、その弊害が叫ばれてきた。そして、いまそんなゆとり教育の弊害が、どうやら企業においても実際にあるらしい。
今回は、ゆとり社員に頭を悩ませるすべての上司、新人教育担当者に向けて、ゆとり社員の起こしがちな問題の事例と背景、そして対策を見ていこう。新人研修、マネジメント研修などを手掛ける是久昌信氏にも、話をうかがった。
ゆとり社員の傾向と対策1:失敗したくない、挫折が怖い、打たれ弱い
事例
- 軽く注意しただけで、強く叱責されたと受け取り、欠勤したりする。
- ほんの少しのミスで、立ち直れないほどに落ち込む。
[背景]
幼いころから、常に転ばぬ先の杖で、障壁にぶつかる前に、親や教師たちから、それらを取り除いてもらえてきた。また成績の評価は、相対評価から、順位をつけない「絶対評価」となり、競争意識が希薄になってしまった。
是久氏は「ゆとり世代の人たちは、本来ならば、家庭や学校で経験することを、いまはじめて会社で経験していると思うんですよね」と語る。
対策
- できないことより、できたことに着目させる。2つほめて、1つ叱るくらいがちょうどいい
- こまめに話を聞き、ときには自分の経験談、特に失敗談を話して聞かせる
- ミスから学ぶことの大切さを説く
ゆとり社員の傾向と対策2:指示待ちでいわれたことしかやらない
事例
上司「会議で使うこの資料、10部コピーしてきてくれないか」
部下「はい、わかりました」
(しばらくして……)
部下「部長、できました」
上司「ありがとう。……ん? ホチキスは? なぜホチキス止めしていないんだ?」
部下「私、コピーしろとはいわれましたが、ホチキスで止めろとは聞いていません!」
背景
このタイプのゆとり社員は、常に受け身。なぜなら、高校や大学の入試も、4割が推薦入試で済んでしまったし、ケータイのメールによるコミュニケーションでは、言いっぱなしの一方的な伝達しかしてこなかったから。主体的になにかに取り組む必要性がなかったのである。
また是久氏は「典型的な責任回避」と指摘する。自分の頭で判断して行動することが怖いのである。
対策
- いわれたことしかやらないということはいわれたことはやるということ。「いわれたことはやる」ことを、まず評価する
- 「相手の立場だったら、なにをどこまでしてほしいか」を常に考えさせる(次ページへ続く)



