今回で、この連載も最終回を迎えました。これまで、ITコンサルタントに必要なスキルや資質について述べてきましたが、なかには一朝一夕では身につかないものもあります。ITコンサルタントになってからあわてないよう、今から準備しておきたいものです。
「でも、いまの仕事はコンサルとは関係ないし」という声も聞こえてきそうですが、心がけしだいで、コンサルとは関係のない仕事や生活シーンにおいても、鍛えることは可能です。
ITコンサルタントとして活躍するために必須の、「コンサル頭」「コンサルマインド」「コミュニケーション力」3つの要素について、今日からできるトレーニングの方法を紹介しましょう。
ITコンサルトレーニング【1】:「コンサル頭」を磨くには?
「コンサル頭」とは、問題を解決に導く思考方法のことです。
ITに限らず、コンサルタントのなかには、過去の成功事例や、BSC、CMMI、COBITといったツールにケースを当てはめるだけに終始し、顧客の問題解決に何ら貢献できていない人が少なくありません。知識や事例、思考ツールはあくまで道具であり、それを使うコンサルタントの力量によって成果は大きく左右されます。
コンサル頭は、多くの場合、生まれながらにして持っているものではありません。考え方の習慣であり、コンサル的に考えようと頭を切り替えることです。とはいえ、短期間では切り替えるのは難しいもの。普段から、物事を本質的に見る訓練をしましょう。
たとえば、会社の仕事の進め方や世の中の常識を「本当だろうか?」と疑い、自分で検証してみること。また、物事の制約条件に捉われず、「もし◯◯だとしたら」「自分がこの人の立場だったら」と自由な視点で考えるクセをつけるのも有効です。
他にも、以下のような姿勢で日々を過ごすといいでしょう。
- 現場、現実を詳しく知りたい
- 失敗の理由を知りたい
- 違和感を覚えたり、納得できないと感じたら原因を探求する
- 自社、自分のライバルを常に意識する
- 自分の立場、役割、課題を常に認識している
- 物事の裏面にあるリスク、デメリットを考えられる
- 不審な点はいい加減に妥協せず、確認して考え抜く
- 論理的に筋道を通して考える
- 発想が柔軟で前向きである
- 厳しい現実と向き合い、課題を先送りにしない
- 常に目標、ベンチマークを意識している
数字を使って考えたり、図を書いて考えたりするのもよいでしょう。それまでもっともらしく聞こえていたことにも、実は思い込みや矛盾点が含まれていたりすることに気づくようになります。
なお、問題解決とは「情報を整理すること」でもあります。ITコンサルタントは頭の中が常に整理されていなければなりません。まずは、机の上や目の前の書類を整理整頓することから始めましょう。(次ページへ続く)


