フェアトレード・ジュエリーの製作・販売で、世界の貧困問題に挑む

1981年生まれの白木夏子さんは、発展途上国から素材を輸入し、オリジナルジュエリーのデザイン、製作および販売を行う「HASUNA」を運営している。
ジュエリー素材である金、牛角、真珠、サンゴをルワンダ、ミクロネシア、コロンビアなど、発展途上国からフェアトレードにより仕入れる(フェアトレードとは、発展途上国で作られる作物、製品を適正な価格で継続的に取引することで、生産者の経済的自立、生活向上の支援を行う活動)。
白木さんが世界の貧困問題に関心を持ったのは、名古屋市の短大に通っていた18歳のとき。あるフォトジャーナリストの講演で、発展途上国の貧困、飢餓、環境破壊の実情を聴き、写真を見て衝撃を受けた。ちょうど卒業後の進路を迷っていた白木さんは、「地球上で起きている貧困問題の解決に貢献することが、私の使命に違いない」と感じ、すぐにフィリピンに行って、ストリートチルドレンの通学支援を行うNGOのボランティアに参加。短大卒業後、国際援助・協力について学ぶために渡英し、ロンドン大学キングスカレッジに入学した。
渡英1年目に、南インド・タミル州に行き、被差別民の住む地域を2ヵ月間かけて回り、30以上の村を訪問した。
「どこの村でも、人々は奴隷のように農業、牧畜、鉱山の労働をあまりにも低い賃金でさせられ、貧困問題にあえいでいました。そのなかでも、私が一番ショックを受けたのは、住民が鉱山労働を強いられる村でした。朝から晩まで過酷な鉱山労働をしているのに、賃金はほんのわずかで、食事は1日1食。子どもたちは学校に通えず、鉱山で働かされていたのです。NGOのインド職員から、『このような事態はインドだけでなく、アフリカや中南米の鉱山でも同じ。お金持ちが買うルビー、サファイヤ、金を掘り出す鉱山では、このような貧困層の人たちが働いているのですよ』と聞きました」
イギリスに戻ると、「貧困問題を解決するには、社会システム自体を変える必要があるに違いない。それを行っている国際機関で働こう」と考えた。そして大学卒業後、国連人口基金のベトナム・ハノイ事務所でHIV母子感染を防止するプロジェクト、アジア開発銀行でインターンを経験する。(次ページへ続く)




