大手出版社のリストラ模様がダダ漏れに!「リストラなう」たぬきちさん登場

数は膨大、質は玉石混淆のコンテンツがあふれるネット上で、久々に登場したヒットブログ『たぬきちの「リストラなう」日記』。とある大手出版社勤務の著者が、リストラの話が出てから、退社するまでの様子をつぶさに書いたものです。
なぜ、大手出版社がリストラすることになったのか、不況といわれる出版業界、そこで働く人々はどれほどの苦境に立たされているのか。そして、自らの内面と向き合って探した「会社員として働く」とは、どういうことなのか。現場で起きたことを包み隠さず伝え、また、自らのリアルな心情を吐露したそのブログには、日々、数多くのコメントが寄せられました。
執筆者のたぬきちさんは今年5月末に退社します。が、この日記ブログは書籍化が決定。それが『リストラなう!』(新潮社)です。今回は刊行前のお忙しい中、たぬきちさんにお話をお伺いしました。
リストラされて気づいた「どこでも通用する営業経験は貴重」
石渡:入社されたのはいつ頃ですか?
たぬきち:1989年です。景気が良くて、高望みするのが当然という空気がありました。今の学生の就活とは全然違いますね。自分の出身大学では、数少ないマスコミ志望の友人と一緒に小論文の添削などやりあって受験勉強しました。
石渡:最初から出版業界志望だったのですか?
たぬきち:最初は新聞社志望でした。大学の同期が出版業界志望で、その影響を受けて何社か受けました。結果として、準大手の出版社に入ることができました。それが5月まで勤めていた会社です。自分で言うのも何ですが、効率的な人生だったと思います。 “効率的”っていうのは“きびしい経験をしてない”ということでもありますが。
石渡:入社後はどのような部署を経験されたのですか?
たぬきち:入社後13年間は書籍編集です。ビジネス系の新書などを作っていました。その後5年半は宣伝、そこから販売・営業を2年半です。
石渡:昔から出版業界では「編集が偉くて、営業は偉くない」という雰囲気があります。会社によっても違いますし、今は営業サイドも力を持つようになりましたが。十数年前ですと、今以上に営業サイドが軽視されていた時代です。編集から宣伝や営業に移動することに抵抗感はなかったのでしょうか?
たぬきち:当時から抵抗感はありませんでした。それにリストラを受けた今、営業という部署を経験したことは良かったと思います。営業はどの業界にもありますし、業種が違えど、根本的なスキルは変わりません。ハローワークに行っても、「営業のスキルがあるんですね」と理解してもらえます。ところが、編集は狭い業界の専門的な職種です。どんな仕事をしてきて、それがすごいことなのか、実は大したことがないのか、なかなか理解してもらえません。
石渡:つまり、編集畑しか経験していない人は、はリストラされた場合、違う業界に転職しにくい、ということですか?
たぬきち:そう見られることもあるそうです。ブログに、「転職市場では元編集は評価されない」というトラックバックをもらったこともあります。(次ページへ続く)



