蟹沢孝夫さんに聞く ブラック企業だらけの転職市場を生き抜く方法

転職は勇気あるチャレンジだけれども、なにも知らずに飛び込んではブラック企業の餌食になってしまう。なぜなら、転職先がブラック企業であるか否かは、働いてみないことにはわからないからだ。一般的に「勝ち組」といわれる大企業であっても、時給換算すればコンビニのバイト以下、といったこともめずらしくない。
とはいえ、「どこへ転職してもブラックかもしれないなら、いまの会社にとどまろう…」と、チャレンジ精神を引っ込めてしまうのももったいない話。ブラック企業だらけの転職市場を、安全に泳ぎきる方法はないものか。
そこで今回は、『ブラック企業、世にはばかる』(光文社新書)の著者で、現職のキャリアコンサルタントとして、これまで600名以上の転職支援に携わってきた、蟹沢孝夫さんにお話をうかがった。ビジネスマンの転職事情やブラック企業の現状、さらにはブラック企業の見分け方などについてうかがった。ぜひ、参考にしていただきたい。
人材ビジネスをやりたい!と、大手からブラック企業へ転職
現在はキャリアコンサルタントとして活躍する蟹沢さん。彼のビジネスパーソンとしてのキャリアは、新卒で勝ち組職場に入社して始まる。
「学生の間では、いわゆる勝ち組企業と扱われている就職先で、社会的にも名の知れたところです。大組織での仕事は充実しており、待遇もそこそこ、キャリアアップもある程度約束されていました。辞めたいという不満はなかったのですが、転職支援ビジネスに魅力を感じ、どうしてもやってみたくて転職しました。ところが転職後、私が前職でいかに恵まれていたか、まざまざと実感させられることになったのです」
蟹沢さんにとって2社目となる人材紹介会社は、社員数10名程度の中小企業。当時は社会全体の景気も良く業績は好調で、業務内容や社内の環境に十分適応することができたという。それでも安定した前職に比べて、不満や不安は後を絶たなかった。
「というのも、この会社はキャリアカウンセラーの活動に悪影響を与えるほど、徹底的なノルマ主義。さらには典型的なオーナー企業で、古株社員とそ うでない社員の間に度しがたい待遇上の差別がありました。しかも、中長期的なキャリアアップや昇給、雇用の安定も何もなく、常に不安な状態。ブラック企業といって差し支えないでしょう。
結果、スキルが身に着くまでは会社に勤めますが、目的を達成したら辞めてしまおうという考えに至りました。事実、その会社は優秀な人材ほどノウハウを身につけたら辞めてしまうという有様で、私もヘッドハンティングの技術を身につけた時点で、自ら卒業しました。在職期間は2年にも満たなかったと思います」(次ページへ続く)



