皆さん、こんにちは。9月10日に最新作『くたばれ!就職氷河期 就活格差を乗り越えろ』(角川SSC新書)を発表します。なぜ、就職難の時代なのか? いわゆる就職氷河期再来ではなく、その正体は就活格差の時代なのだと問題提起しています。なかでも、学歴格差が顕著になってきています。今回はこの問題について、考えてみることにします。
なお、ここでの学歴差別は、大卒の新卒採用と中途採用を中心にご紹介します。最近では、高校生の就職難、そして学歴差別がより深刻な問題となっていることは私も認識しておりますが、ここでは上記を中心に論じることをご了承ください。
「日大か、無理だな」に象徴される学歴差別
33%の企業はターゲット校を設定している
今年、ある総合商社を受けた日大の男子学生は面接で、突然こう言われたそうです。
「日大か、無理だな」
彼は結局、落ちてしまいました。面接官は、あえてプライドを傷つける質問をすることによって、彼の反応を見ようとしたのかもしれませんが。
新卒採用の現場にいると、実は学校差別はますます加速していると感じられます。『HR戦略資料2010』(2010年6月)によると、33%の企業はターゲット校を設定しています。あくまで推測ではありますが、答えづらい質問なので潜在的にはもっといるでしょう。とくにターゲット校を設定していなくても、結果として内定者は上位校だらけということもあります。
では、ターゲット校を設定した企業が何校にターゲットを絞ったのかを見ると、20校以内が82%、さらには10校以内が58%を占めました。もちろん各企業でターゲット校は違うものの、日本には現在、募集停止中の大学も含めて778校の大学がありますが、採用ターゲットとなっている大学がごく一部であることに愕然とします。
東大アカウントで企業説明会の予約が自由自在?
企業は採用活動においても、学校群を限定した施策を実施しています。よくあるのが、上位校限定のオープンセミナーです。東一早慶(東大、一橋、早稲田、慶應)に代表される上位校だけを募集対象として、セミナーを実施するのです。
私が取材した慶大生はある日、突然インフラ系企業から電話がかかってきて「マイページ(応募などの管理を行う画面)にセミナー案内を送ったので来て欲しい」と案内されました。帰宅して、PCを開いてみるとたしかにメールが届いていました。それは公にはホームページの採用情報などには掲載されていませんでした。参加してみると、周りの学生は東大、一橋、早稲田、慶應だらけでした。
他にもよくあるのが、大学のランクが低ければセミナーの予約が取れないというものです。応募者を管理するデータベースの機能では、学校群ごとにセミナーの参加可能人数を決めることが可能です。漫画喫茶で違う大学の仲間が一緒にセミナー予約をしようとしたら、ある学生は「余裕あり」と表示され、別の学生は「満席」と表示されました。
都内の私大生はある金融機関のセミナーがいつも満席なので、これはおかしいと思い、東大生のダミーアカウントを作成しました。すると、今までがウソのように予約が楽勝で取れるようになったのでした。もちろん、そのアカウントは使いませんでしたが…。(次ページへ続く)




