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 専業主婦から一念発起し、社労士の資格を半年で取得。紹介のみで100社を越える顧客を獲得した井寄奈美さん。経験も人脈もなかった井寄さんが確立した「営業ゼロで仕事を取る仕組み」とはどのようなものか。後半は顧客との関係づくりのための情報発信や仕事への取り組み方、そして社労士の将来像についてうかがった。



自分という社労士を知ってもらうために欠かせない「情報発信力」

――前回、営業しなくともお客様を紹介されるために、人脈づくりの重要性についてお伺いしましたが、その他にもさまざまな工夫をされていらっしゃいますね。

 ええ、そのあたりは著書に詳しく書いていますが、「営業ゼロ」で紹介だけで仕事ができるようになるためには、”5つの力”が不可欠だと思っています。5つの力とは、「人脈力」「人間力」「専門力」「情報発信力」「金勘定力」です。

 仕事を紹介してもらうには「人脈力」が必要ですが、裏を返せば、その方の顔に泥を塗らないよう、やはり人間として信頼できる人である「人間力」が必要ですよね。また、社労士としての高い「専門力」も求められます。また「人脈力」がお客様に結びつく直接的な力とすれば、広く存在をアピールする「情報発信力」が間接的な援護射撃といえるでしょう。「金勘定力」については、いわずもがなですよね。

 「情報発信力」は、本当に地道な作業の積み重ね。まずは名刺や開業案内をきちんと作り、自分を知ってもらう機会を増やすことが大切です。でも、初対面でいきなり営業トークをしても煙たがられるだけ。自分がどんな人間で、社労士として信頼に耐えうるものか、少しずつ理解していただくために、初対面から一歩進んだコミュニケーションが必要になります。私の場合、一度でもお仕事でお世話になった方には、社労士としてのトピックスを盛り込んだニュースレターに登録していただくようにお願いしています。はじめは、郵送でしたが、部数が増えたのでメールに添付し、その後メールマガジンになりました。

 名刺交換させていただいた方には、お礼とともに「ぜひメルマガ登録してください」と1人ひとり登録をお願いして、登録者を増やしました。現在は約400名の方に読んでいただいています。400名は決して多い数字ではありませんが、毎回10名以上の方からレスポンスをいただくので、開封率はかなり高いと思っています。最近、名刺交換しただけで、勝手にメルマガ登録をしてしまう人がいるようですが、私は一切それはしていません。あくまでもご自身の意志で登録をお願いしています。

 内容は、基本的には社労士からのお手紙というコンセプトで、専門用語の羅列ではなく、できるだけ親しみやすいものを心がけ、意識的に営業的な表現は払拭しています。月に1回発行で開封率もなかなか高いのですが、先日、著書の増刷記念としてプレゼントの告知をしたら大反響でした。「こんなにたくさんの人がメルマガを開封してくれているんだ!」と大感激しましたね。

 他にも情報発信ツールとして、ブログやツイッターも使っていますが、仕事の専門的な話はほとんどしていません。専門知識をひけらかしても、普通の人は引くばかりでしょう。それよりもタイムリーな時事話や自分の感じたことを書いた方が、親近感を持っていただけると思うんです。法律改正の話よりも、断食道場やiPad購入とか、個人的なことの話題が反響があったりしますしね(笑)。私という人を売り込むわけです。

――専門的な言葉で専門的なことばかり話すというのは、どの業界にもありがちな間違いですね。

 そうですね。実際、そういう方は多いですね。私もかつてブログにかなり専門的なことを書いていたのですが、どんどん情報は古くなるし、必ずしも関心のある方が見るわけではない。ちょっとした言葉の言い回しであげ足を取られて炎上したこともありました。

 もちろん、私が発信した情報がインターネットを通じて他の誰かの役に立てばいいなと思います。でも、本当に困っている人は個別相談でなければ対応は難しく、テキストに書かれた四角四面な答えでは、本当の解にはならない。ブログやホームページに専門的な内容を入れるというのは、あえてアウトプットすることで自分のものにするというような、備忘録的な役割と考えています。(次ページへ続く)








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