「親のようにはなりたくない」と奮闘する兄妹、ヘッテルとフエーテルのお話
むかしあって、これからもおこるお話。
あるところにヘッテルとフエーテルという兄妹がいました。
兄妹は自分の親が大嫌いでした。
兄妹の父親は、いつも朝早く会社に行き、夜遅く帰ってくるサラリーマンでした。
経理の仕事をしていて、週末もくたびれはてて家で寝ているか、溜まった仕事を持ち帰って、ひたすら電卓で数字の確認をしているかで、子どもたちと遊んでくれることはほとんどありませんでした。
母親は専業主婦で、毎日決まった生活を崩さない人でした。
1週間が寸分違わず、同じスケジュールであることを愛し、子どもたちが夕食の時間に遅れると不機嫌になる、そんな母親でした。
そして2人の両方の祖父母も同じような生活でした。
2人は幼い頃から「両親のようにはなりたくない」、そう思っていました。
そんな兄妹も成長し、自分の仕事を決める年を迎えました。
兄のフエーテルは、父のように、いつもチマチマと数字を追い、働きアリのように働くのではなく、クリエイティブな仕事で成功してお金持ちになりたい、そう考えて大学ではなく、映像系の専門学校に通うようになりました。
将来は映画監督や脚本家、メディアクリエイターからハイパーなメディアクリエイター(*)になって、ひと回り以上年の離れた嫁をゲットなんてことを妄想しながら。
*結局何がハイパーなんだったのだろう? 離婚問題は確かにハイパーだったけど。
一方、妹のヘッテルは、母のように、毎日ただ家族のためにご飯を作るだけの働きバチのようにはなりたくない、いっそ女社長になって、ご飯を作られる側に回ってやると意気込み、大学の経営学部で勉強をすることにしました。
将来は六本木ヒルズに部屋をいくつも持って、カワイイ男の子を囲っちゃおう(*)とか妄想しながら。
*その部屋で違法麻薬吸われるわ、人は死ぬわ、週刊誌で叩かれるわってこともあるので、要注意。
ヘッテルとフエーテルは、他の同年代の学生よりも真面目に頑張って、真摯に授業に取り組みました。
それは教師も同級生も認めるところです。
ですが、成績は2人の努力をあざ笑うように、いつも平均程度、悪くすれば平均より少し悪いことさえありました。(次ページへ続く)


