このエントリーをはてなブックマークに追加




経済アナリスト 森永卓郎が、「超就職氷河期」をメインテーマに、今後の日本の若者のキャリアについて提言します。



経済アナリスト森永卓郎、「超就職氷河期」を分析する!

 CAREERzine読者の皆さん、お久しぶりです。経済アナリストの森永卓郎です。以前、皆さんに向け、ITエンジニアの現状や今後、転職の際の注意点など、私なりの意見やアドバイスを述べさせていただきました。

 今回からお話しするのは、IT業界に限らず、今後の就職事情やそれに伴う雇用・労働環境の変化についてです。ご存じの通り、日本は長きに渡る経済低迷の真っただ中で、2008年に起きたリーマンショックの余波から、いまだ脱し切れていない状況……。ここ数年は、新卒採用の見送りや派遣切り、早期退職など、労働環境を脅かすニュースが相次ぎました。ここでは、そういった問題についてさらに掘り下げ、リアルな現実に迫ってみたいと思います。

 第1回目のテーマとして取り上げるのは、大卒の就職事情について。いまは「超就職氷河期」と言われていますが、それはまさに極寒の様相を呈しています。その背景にあるのは言わずもがな、リーマンショック。企業の急激な業績悪化による新卒採用の見送りから、多く若者たちが就職という社会人のステップを踏むことなく、世間に放り出されています。

 文科省発表の「学校基本調査」によると、2010年4月に4年生大学を卒業した学生の就職率は60.8%で、前年比-7.6ポイント。過去最大の下げ幅を記録しました。なんと、進学も就職もしない人が約8万7,000人もいて、これは卒業者の16.1%を占めます。大学院への進学者は7万3,000人、一方でアルバイトなど一時的な仕事に就いた若者は1万9,000人で、非正規雇用者は前年より6,000人増えました。さらに、その後の政府調査では、昨年10月1日時点の大学生の就職内定率は57.6%と過去最悪を記録。2011年4月の4年制大学の大卒就職率は、前年より悪化する可能性が示唆されています。

 新卒採用の絞り込みは、就職環境にも歪みを生じさせています。それが、超買い手市場という、圧倒的に企業に有利な採用状況で、就職難にあえぐ学生に対して、わがままを言い放題の企業もめずらしくありません。なかには学生を使い捨てする事を見越して大量採用して営業に回らせ、結果が出ないとクビを切るブラック企業も後を絶たないほど。むしろ、ブラック企業を避けて就職する方が難しいかもしれません。

 昔であれば学生は、希望する会社や業界を考えながら就職活動ができましたが、いまはそうとも言えず、正社員という少ないパイを奪い合っています。まさか彼らも、この若さでサバイバルに曝されるとは考えもしなかったでしょう。(次ページへ続く)






著者プロフィール
森永 卓郎(モリナガ タクロウ)

 1957年生まれ、東京都出身。80年東京大学経済学部卒業。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、現在、大手金融系シンクタンク主席研究員。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。難しい「経済」を切るその語り口は解りやすく、明快である。ミニカーほか、さまざまなコレクターとしても有名。






スポンサーサイト

年収1000万円へのエグゼクティブ転職
職種
業種
フリーワード

職種
フリーワード

タグクラウド



ページトップへ
ページトップへ