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経済アナリスト 森永卓郎が、「超就職氷河期」をメインテーマに、今後の日本の若者のキャリアについて提言します。



これからのシゴト選びは、業界でなく会社で決める?

 ここまで、「超就職氷河期」が学生と現役世代にもたらす弊害について分析し、私なりの対処法をアドバイスしてきました。

 簡単に振り返ると、企業は新卒採用でさえ即戦力人材を求めているということ。過去の歪んだ雇用調整と業績低迷が主な理由で、新人を育てる体力のある企業が不足しているからです。現役世代にとっては、新入社員が入ってこないことで、知識やノウハウを引き継ぐことができず、優秀な人材であるほど負担がのしかかっている現状があります。そうした人材がなかなか新しいことにチャレンジできず、また不満がつのれば転職してしまうため、最終的には企業の発展を阻害するということでした。

 こうした現状に、個人がどう対処するかについてですが、まず学生はとにかく頭の回転力を鍛えること、ビジネスパーソンはどこでも通用するよう、自分磨きをすることです。ベタな話かもしれませんが、まずは自分自身の雇用を守ることから始めるしかないのですから。

 今回お話したいのは、自分の雇用を守れるようになったという前提での、仕事選びの基準と安定についてです。これから社会に出る学生、さらには転職を考えるビジネスパーソンのキャリアマネジメントを私なりの視点でアドバイスしたいと思います。

 まずは業界選びですが、実はこれ、すごく難しいテーマなのです。なぜかというと、時代の変化がとても激しく、現在の成長産業が、将来も成長産業であり続ける可能性がとても低いからなのです。しかし一方で、ここ20年間の「学生が就職したい企業ランキング」を見ると、ほとんど変わりがないのも事実。経済が成熟するに従い、知名度や実力が固定化してきたからかもしれません。もちろん、ランキングに名を連ねる企業は超大手なので、入社するのは簡単でありませんが(苦笑)。

 IT業界も高い人気を誇りますが、浮沈の激しい業界です。かつて名をあげたと思った企業が、最近はめっきりウワサをきかないというのはよくあることでしょう。ここ数年流行のエコ業界も、参入事業者が多く、それに伴い競争が激化し、労働環境も厳しいと耳にします。何かとお騒がせのフラッシュマーケティングビジネスも、昨年11月時点で130社を超えました。少しでも儲かると耳にするとたくさん会社が参入するので過当競争が生じ、そこで働くビジネス パーソンには重い負担がのしかかるのです。

 つまり、「この業界に入れば絶対に大丈夫」というのはもはやなく、むしろ注目すべきは「企業自体の力」です。たとえば、グローバル展開で勢いを増すユニクロはた いへん優秀な企業ですが、衰退産業のアパレル業界です。あのワタミだって、斜陽産業の外食チェーンですよ。これからの仕事選びは、業界でなく、企業を基準に考えていくべきだといえるでしょう。(次ページへ続く)


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INDEX
斜陽産業にこそ、安定企業あり? これからの仕事選びは、業界でなく企業を見て決めよ!
これからのシゴト選びは、業界でなく会社で決める?

ライバルが少なく、組織と財務が少ない企業を選べ

仕事選びは理想を追い求めないことが大切





著者プロフィール
森永 卓郎(モリナガ タクロウ)

 1957年生まれ、東京都出身。80年東京大学経済学部卒業。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、現在、大手金融系シンクタンク主席研究員。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。難しい「経済」を切るその語り口は解りやすく、明快である。ミニカーほか、さまざまなコレクターとしても有名。






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