「年齢を重ねてもオシャレや外出を楽しんで欲しい」
高齢女性向け転倒骨折予防下着を開発

「高齢者の『美』をサポートしたい」と、高齢女性向けの下着を開発する有限会社とみの代表、松本富子さん。同社製品『ピーチパンツ』(1枚9,900円)は、美しくレースをあしらった下着に衝撃を吸収するプロテクターを組み込むことで、転倒による骨折を防ぐ機能を持つ。
外出したいと望みながら、実際には家に引きこもってしまう高齢の女性が、日本には少なくない。どこかで転び、大腿骨頚部を折るなどして、寝たきりになること恐れるからだ。たしかに、歩く行為が骨折を招くことは否定できない。加齢とともに歩き方は変わる。若い時は並行歩きができるが、高齢になると足腰が曲ってまっすぐ歩けなくなる。高齢になると、1歳児のヨチヨチ歩きと同じような歩き方になるそうだ。
「日本の女性は年齢を重ねると、周囲の眼を気にして地味な服装になってしまいがち。けれど、気持ちは若く持っていてほしいんです。認知症の予防にもつながるので、積極的な外出もオススメしたい。ある文献によれば、オシャレを楽しんで外出して刺激を受けることで、認知症が治った女性もいるそうです。だからこそ、美しくて機能的な下着を選んでいただきたい」
大手下着メーカーでデザイナー職に
「筋肉の動きが知りたい」とボディビルに熱中した
松本さんは富山県に生まれ、子ども時代から「図画工作では必ず他の子と違う絵を描き、家庭科の授業では違うものを作る」という独創的な性格だった。学校卒業後は株式会社ワコールに就職し、女性下着のデザイナーとして10年間勤務した。
そのうち、「身体に馴染むような下着とは、どのようなものだろう。筋肉はどのように動くのだろう」という探究心を持つようになり、ボディビルを始めた。「興味が沸くと、納得できるまで進む」性格で、西日本女性チャンピオンになった。学んだ筋肉の知識は、その後十数年の時を経て役立っている。
「たとえば、『高齢になるとお尻と脚の筋肉がなくなるので、自然とおしりも下がって小さくなる』ということを、高齢女性向け下着の開発を始めて再確認しました」
30歳の頃、独立してフリーデザイナーになった。通販雑誌の女性向けランジェリーが掲載されるページの企画、商品アイテム、カラー、価格などを調整した。コーディネーターとしての仕事は通算6年間続いたが、ターゲットはキャリア女性でいつも最先端のトレンドを意識していた。その頃は、高齢女性の下着を作ることになるとは思ってもみなかったという。(次ページへ続く)



