1985年に英国ロンドンで設立されて以来、スペシャリストの人材紹介会社として高い実績を誇るロバート・ウォルターズ株式会社。世界20カ国の主要都市に43のオフィスを構え、2000年には日本法人のロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社が設立されている。日本での拠点となる同社は、本社に次ぐ規模と実績を持ち、スペシャリスト人材の紹介及び派遣・契約はもちろん、グローバル企業への窓口としての評価も高い。
同社でコマース&インダストリー部門のディレクターとして活躍するサイモン・ブロムウェル氏は、日本法人入社以来、約9年にわたり、日本の人材市場を分析して考察を重ねてきた。そんなブロムウェル氏は、2011年の人材市場動向をどのように予測しているのだろうか。
積極的にビジネスを展開をするため、「営業・マーケティング職」ニーズ高まる
――2008年のリーマンショックがもたらした世界的不況は、人材市場にも大打撃を与えました。その後2年が過ぎ、世界的には回復基調にあるといわれています。

「ええ、当社とお取引いただいている企業の人事部門を対象にした調査の結果でも、その『空気』は如実に現れていました。対象企業の人事担当者の67%が2011年に中途採用による増員を予定していると答え、自身の最大の課題についても、『既存社員育成(40%)』より『優秀な人材の採用と確保(47%)』とする傾向にありました。
その中でも特に私がユニークだと感じたのは、営業・マーケティング職の募集が増加傾向にあるということです。これらの職種は、リーマンショック直後にもっとも影響を受け、急速なリストラの対象となりました。しかし、2010年から米国でIT企業が急成長したことをきっかけに雇用活動が再び活発化し、特に営業・マーケティングの人材が再び求められるようになってきました。これは明らかに企業が『モノを売る』というアグレッシブな活動にシフトしはじめた兆候であり、景気の回復を象徴しているといえるでしょう。
これ以前の採用活動では、IT関係の技術者やディレクターなどが中心でした。これは推測なのですが、2009年まではリーマンショック後に自身の組織や事業を効率化し、新しい仕組みを作るという『メンテナンス』の時期だったと思われます。そしてそれが完了した2010年以降には、積極的なビジネス展開がはじまったと考えられます」
――なるほど、2011年は営業・マーケティングの人材にチャンス到来というわけですね。
「そうですね。まだまだIT系の人材の動きは活発なのですが、2010年から急速に営業・マーケティングの求人が増えています。2010年で特に印象的だったのが、現場でエネルギッシュに稼働する若手のニーズの高さでしょうか。2011年は若手の採用もまだまだ続いていますが、さらに営業戦略やマーケティングなどを立案する上流層の求人も増えてきました。
こうして俯瞰すると、2009年はIT強化で社内の準備を整え、2010年は2年間のロスを挽回するために営業活動に注力し、2011年はそれを踏まえてもう1ステップ上の成果をあげるべく、ビジョンを整理しようとしている。そんな企業の動きが見えてきます」(次ページへ続く)



