システム業界の営業マンが介護ベンチャーで起業
「インターネットで幸せな介護を実現したい」
近年、家族の介護を理由に会社を退職・休職するビジネスマンが増えている。介護の苦労は当事者になってみなければわからないことが多く、その苦労や不便さの多くは、改善されないままであることが多い。株式会社インターネットインフィニティの別宮圭一さんは、そんな介護の世界を変えるべく、インターネットの世界から介護業界に飛び込んだ。
2000年に始まった介護保険制度により、家族だけが担っていた介護を専門家にアウトソースする仕組みができた。同社は、訪問介護、デイサービス、居宅介護等の福祉事業所を20拠点置くだけでなく、ケアマネジャー向け専門サイト『ケアマネジメントオンライン』、介護事業の運営をサポートする『ケアビズPLUS』等で、介護に関わる人々に役立つ方法を発信している。

別宮さんは、新卒でコンピューターメーカーに入社。生産管理の仕事に携わった後、コンピューター系専門出版社の営業職に。システム技術者向けのマニュアル書籍の法人販売を行った後、「自分自身がお客様に直接システムを販売する仕事がしたい」とシステム開発ベンチャー企業に転職。eコマースシステムの営業マンとして約3年間働いた。当時は1990年代後半から続くITバブルで、システム構築の仕事が世の中に溢れていた。
「多くの案件があり忙しく、システム販売後にお客様の変化に合わせてシステムを改変していくことができませんでした。私はシステムの“導入”だけでなく、お客様のビジョンを共有した上で“保守”の仕事がしたかった。『自分で会社を作れば、システム導入後のサポートを自分なりの方法でできるのではないか』と思いました」
会社を辞めて独立することを決めた時、真っ先に思い浮かんだのは出版社時代の後輩、山田知輝さんのことだった。「他人とは違う、新しいことがしたい」という価値観が同じで、転職後も仕事について熱く語っていた2人は意気投合し、起業することを決めた。
受託開発からスタート 新事業アイデアにつながる案件を受注
2001年5月、29歳のとき、有限会社インターネットインフィニティを設立した。独自の新ビジネスを始めようと考えたが、アイデアは見つからず、受託開発の仕事をコツコツ進めながら、ビジネスチャンスを探した。開業から1年後、介護ビジネスを行う会社から業務システム構築の依頼が舞い込んだことが転機となった。
「当時、介護のことをまったく知らなかったので、介護事業の仕組みを調べ、同社の業務フローをヒアリングしました」。介護保険法を勉強し、介護現場の実態や業務内容を調べるうち、別宮さんは介護業界のIT化の遅れに愕然とした。システム納品後も、その衝撃は忘れられなかった。(次ページへ続く)



