低価格の電動バイクを開発・設計 ファッションとなる製品を作りたい
Terra Motors株式会社は、電動バイクやシニアカーの開発、設計、販売を手掛ける。主力商品は、10万円を切る電動バイク「SEED48」だ。走行音が静かで排気ガスが出ない。1回の充電で40キロ走行できる(スクーター常用者の1日平均10~20キロ)。2010年にビッグカメラ、ヨドバシカメラ等の家電量販店やバイク専門店で販売を開始し、新しい市場を作り出している最中だ。
代表の徳重徹さんは日本の大企業で働いた後、米国にMBA留学。シリコンバレーでベンチャー支援の会社を経営した経歴を持つ。「日本の技術を世界に出したい」と帰国し、2010年にテラモーターズを設立した。
「シリコンバレーではオラクルやインテル、グーグル、最近ではFacebookのような会社が生まれました。EV(電気自動車)業界でも、Tesla Motors (テスラ)という電気自動車メーカーが話題です。日本はもっと、革新的な企業を作っていかなければなりません。弊社は、アップル社のようにEV業界や世の中を変えていきたい。エコの観点だけでなく、『電動バイクに乗ることがカッコイイ』と言われ、ひとつのファッションになるような製品を作っていきたいです」
日本の大企業からMBA留学 シリコンバレーでベンチャー立ち上げ
徳重さんは大学卒業後、住友海上保険株式会社に入社した。経営企画を行う部門に5年間所属し、保険商品の開発、保険自由化への対応等に従事。29歳のとき、ITベンチャーが全盛となり「渋谷ビットバレー」が活発化したことに影響を受け、「自分でビジネスがしたい」と思うように。2000年に退社し、米国サンダーバード国際経営大学院にMBA留学した。
MBA卒業後、シリコンバレーでインキュベーション企業 Business Café, Inc.の代表として5年間働いた。日本人が米国でビジネスを立ち上げる際のサポート、米国に技術を売り込みたい日本企業へのコンサルティング、シリコンベンチャーのアジア展開の実行支援など、IT・技術ベンチャーのハンズオン支援を実施。コンサルタントして現場に入り込み、たとえば月・水・金曜はA社、火・木・土曜はB社に出勤し、役員のような立場で経営改革にあたった。

シリコンバレーでは、ものすごいスピードで仕事が進み、何より結果を求められた。
「たとえば、企業のコンサルティングを手がけたときには、1ヵ月ごとの成果を問われました。要求されるレベルも高かったです。仕事は大変でしたが、自分自身を鍛えたかったので、プロフェッショナルとして働く充実感がありました」
また、起業家たちの熱気を肌で感じた。
「日本で起業することのハードルは高いと思いますが、シリコンバレーではあまり先のことを考えずに会社を立ち上げる人も多かった。リスクを考え過ぎずに『まず、チャレンジする』という感じでしょうか。すごいと思ったのは、たとえ半年間取り組んだ案件が一瞬で頓挫してショックを受けても、その翌日にはケロっとして何もなかったように走り出す姿でした」(次ページへ続く)



