あなたの部下、「ゆとリーマン」は敵か味方か?
『転職は1億円損をする』の中で、転職者のパターンとして「衝動タイプ」を紹介しました。本来なら1社に留まる志向があるのに、仕事に疲れ果て衝動的に辞めて転職してしまうタイプのことです。
このタイプは、20代前半の若手社会人よりも20代後半から30代前半に多いのではないでしょうか。この世代は、下の世代をどう扱えばいいのか悩んでいます。
下の世代、すなわち20代前半の若手社会人を、ゆとり教育にひっかけて「ゆとリーマン」と命名したのが、人事ジャーナリストの大沢仁さんです。
大沢さんは企業での採用・教育研修など人事畑を担当していました。その経験から『就活のバカヤロー』(光文社新書/石渡との共著)では、落ちる学生のパターンをはじめ、ズバズバと斬っています。そして、若手社会人「ゆとリーマン」についても、『イマドキの若手社員育成テクニック50』(HK INTERNATIONAL VISION)でどのように対処したらいいのかをまとめています。
「ゆとリーマンは敵か味方か」、その内実を著者・大沢さんにお話をおうかがいしました。前編・後編の2回に分けてお送りします。
ゆとリーマンって、そもそも何者?
石渡 「ゆとリーマン」とはものすごい命名ですね。まず、この「ゆとリーマン」の特徴を教えてください。
大沢 「ゆとリーマン」は私の造語でして、20代前半のゆとり系若手社員を指しています。今、どの会社でも「最近の若手社員はどこかおかしい」「どう対処すればいいか分からない」との話があふれています。あるいは、それが元で若い管理職は疲れ果てています。ゆとリーマンには次の特徴があります。

このポイントにいくつか当てはまる若手社員は立派な「ゆとリーマン」であり、職場での混乱劇の主役となっています。
石渡 おそらく、20代後半から30代前半の読者の方は「こういうのいるよ」と納得されているのではないでしょうか。「ゆとリーマン」が登場した背景には、やはり「ゆとり教育」があるのでしょうか?
大沢 命名しておいてこういうのも何ですが、そうは言い切れません。ただ、広い意味でのゆとり教育の結果、2008年以降入社の若手社員が、それより前の世代に比べて勉強時間が減少する中で育ったことは確かです。大学入試でも、一般入試試験に比べて負担の軽い推薦入試やその変化球と言えるAO入試が普及。大学入試が昔ほど苦行ではなくなっています。受験勉強によるプレッシャーが他の世代よりも少ないわけですね。
教育以外ですと、インターネットや携帯電話も特徴ですね。彼らは早ければ中学生時代から使いこなしています。ゆとり教育とネット・携帯の普及、この2点が「ゆとリーマン」が誕生した背景です。



