サラリーマンの選択:不本意な異動が決まったらどうする?
第1回は「不本意な異動」について。サラリーマンたるもの、会社にどんな過去の前例があろうとも(なかろうとも)、本質的には「辞令ひとつ」があなたの今後の人生を決めます。そのことに対する覚悟が本当にできているか、まずはご自身に問い直してみてください。
辞令が比較的予測しやすい会社とそうでない会社がありますが、大企業で働いている場合、総じて予測は難しいものです。子どもが苦労して私立の中学校に入学した直後だろうが、ローンを組んで住宅を購入した直後だろうが、はたまた病気の親がいようがお構いなしです。異動先がこれまでの人生で一度も行ったことがない土地だったとしても、それが辞令ならその土地とはそれが運命の出会いとなります。
10年財務・経理でキャリアを積んできて、プライベートでも税理士資格取得の予備校に通っていた人が、会社が業績不振であるという理由のため、営業に回されることもあります。実際、それが理由で転職を決断する人も少なくありません。会社も、そうした個人の志向を逆手にとって、会社を辞めてもらいたい人物には不本意な異動をさせるケースもあります。ほかにも、社内政治の末に、優秀な人が不本意な異動を強いられることなどは大昔の時代からあった話ですね。
他人の人事異動の予測はサラリーマンの良い酒の肴だったりもしますが、そもそも当たるも八卦、当たらぬも八卦。ただし、人の人事異動は予測できても、いざ自分のこととなるとたいていの場合、大ハズレな結果になることが多いようです。というのも、やはり自分のことになると、主観や希望が混じるものだし、まして悲惨な結果を予測するのは誰しも避けたいからです。
合理的にはいかないもの それが人間が行う「人事」
よくある話としては、「会社にとって有効な人材の活用法」(こうあるべきという合理的な話)から人事異動を予測することですが、これもだいたい見事に外れますね。本来、会社は人材を適材適所で活用すべきなのですが、実際は社員間にも競争があり、いす取りゲームのような要素が少なからずあります。
また、実力以上に野心を持つ社員も交じっており、人によっては保身が強い人もいます。そうした人が恣意的に合理的な判断をゆがめるため、人材活用が最適化されることを期待しても、それが実現できないのが人間社会の複雑さですよね。こうしたことは、過去の歴史でいたるところでくりかえされてきたことでしょう。
キャリアだけでなく、人事異動は社員とその家族の生活圏にも大きな影響を及ぼします。たとえば自分の会社が支店を持つ都市だけが可能性のある異動先かと思っていたら、思いもかけない出資先があって、まったく自分の会社とは過去に人的な交流のない会社にまでも1人で出向しなければならないなんて話も少なくありません。(次ページへ続く)



