急増する「コワーキング」 フリーランスの新しい働きかた
今年の春以降、にわかに日本でもコワーキングが注目され出した。ことに秋に入って東京都内では、ラッシュといってもいいほどオープンが続く。全国の統計が明確ではないが、年内には50ヶ所近くなっているかもしれない。昨年の今頃、国内で自らコワーキング(当時はカタカナも通じなかったので、Coworkingと書いていた)を名乗って運営しているのは、わずか3ヶ所だけだったことを思うと、正直驚きだ。
コワーキングとは、ノマドワーキングやオフィスシェアなどの延長線上にある、主にフリーエージェント(フリーランス)の働きかたとそのスペースをいう。オープンスペースに各自がノートパソコンを持ち込んで自分の仕事をする。図書館の席についてパソコンを開いて仕事している風景を思い浮かべてもらえればイイかもしれない。
ちなみに、11月初めにベルリンで開催された「コワーキング・カンファレンス2011」の調査では、今、世界中に1100ヶ所のコワーキングがあり、ヨーロッパにおいては昨年より実に倍増していると伝えられる。やや出遅れ感はあるものの、時を同じくして日本でもコワーキング熱が高まってきたわけだ。
ところで、このコワーキングが、とりわけフリーエージェントに重宝がられるのには訳がある。
まずその経済性だ。自分でオフィスをレンタルするよりも、利用料を払うだけだから当然安くつく。利用したいときにだけ使えばイイので家賃という発想がなく、長期出張時や休暇を取る場合にも無駄なコストがかからない。賃貸借契約につきものの保証料なんてものも要らないし(もちろん保証人も)、仮に入会料を徴収されても、どこもおしなべて良心的な金額だ。
しかし、それよりももっと重要なメリットは、そこがコミュニティだということだ。図書館のようにオープンスペースなのだが、実はまるで違っていて、いつ誰に話しかけても構わない。席を同じくして各自の仕事をしながらコミュニケーションし、互いに持つ知識や情報、知見などを共有する。それが前提にあって、むしろコミュニケーショのためにやってくる人もいる。
人が他者と話すことで得られるヒントやアイデアは思いの外多い。不特定の人たちとコミュニケーションできることが、ノマドやオフィスシェアとは違う利用価値をもたらす。そしてそこには、人の役に立つならすすんで応えるというコントゥリビューション(貢献)精神がある。文字通りコミュニティであり、これは日ごろ人との接触に乏しいフリーエージェントにとってかなり喜ばしい。
さらに、単に情報を共有するだけではなく、能力を寄せ合って仕事を進めるパートナーになるケースも生まれている。フリーエージェントは1人で仕事する場合が多いとはいうものの、たった1人ですべてを成し遂げられるような案件は、21世紀の地球上にはそう多くはない。コワーキングなら、仕事をプロジェクトにしてチームを編成し、各自が担当部分を進めていくのも可能だ。コラボとシェアで働くというのも、コワーキングの醍醐味のひとつと言える。(次ページへ続く)




