いつ崩れてもおかしくない「人が増えない、忙しい職場」
以前より少ない人数で、以前より多くの仕事をこなす。そんな職場が今、たくさんあります。
欧州経済危機などの新たな不安要素もある中、業績不振の続く会社の職場は大変です。中高年のリストラや若手の転職などによって、現場の戦力はいっこうに安定しません。そのため、中長期のビジネスプランを立てることは難しくなります。精神的な支柱がないまま、大量の仕事を必死にこなす日々が続いています。
こうした厳しい状況下でも、現場は必死にこらえています。上司と部下が協力し合い、難局を乗り越えようと奮闘しているのです。しかしそれは、かろうじて均衡が保たれている状態です。何か変化が起きると、あっという間に崩壊してしまうこともあるのです。
人員を補充できず、毎日の残業でなんとか仕事を回す職場での出来事
山田課長(仮名)とその上司の小林部長(仮名)は、ある中堅商社に勤務していました。
山田課長は40代半ば、部下が2人いました。どちらも、30代半ばの主任クラスです。いわゆる20代の若手を採用する余裕がない職場で、ここ5年間は、まったく人員を補充できていませんでした。その結果、30代半ばの部下2名にかかっている負担は相当なものでした。
しかし、山田課長にはどうすることもできませんでした。なぜなら自分も、担当者レベルの仕事に明け暮れる毎日を過ごしていたからです。部下とともに3人で、連日遅い時間まで残業することで、何とか業務をギリギリで回している状態でした。
小林部長もそうした状況を理解していましたが、人員補充はかないませんでした。せめてもと、山田課長の管理業務を補佐し、そのことで、小林部長と山田課長の間には信頼関係が築かれていました。
そんなある日、思いもかけない出来事がありました。業績不振のあおりを受けて、小林部長がリストラにあってしまったのです。(次ページへ続く)



