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サラリーマンのキャリアにおいて、実際に起こりうるシチュエーションを想定し、「自分ならどう選択するか」を考えるヒントを提示します。



経営層も従業員も、「リストラはありえる」認識に

 今、企業経営の現場では「社員は解雇できない」という認識は消え、「社員は解雇しにくい」という認識がかろうじて残っているかどうか。これが今、働く人を取り巻く日本の現実ではないでしょうか。

 たしかに、世界の先進国と比較すると、日本の法律は労働者保護の傾向が強いです。経営者や人事部の現場では、会社都合によるリストラを行う場合は、かなり慎重に行う必要があります。

 その一方で、リストラの増加は周知のこと。雇われる側からすれば、「解雇の正当性」には納得できなかったとしても、もう「社員は解雇されない」もしくは「社員は解雇されにくい」という認識を持つことが難しくなっているのではないでしょうか。

 実際、社員を解雇するためのノウハウや過去の労働判例も蓄積しています。企業の人事部も、労務に関する専門家をただ雇うだけでなく、自らもそうした知識を身につけるようになりました。若手の人事マンであっても、リストラの実務体験を持つ人は少なくありません。

 「雇用」は「会社と個人間の契約である」。従来の日本の常識から考えれば、ドライなこの認識が、急速に一般化しています。契約とはすなわち期限があるもの、それも、従来のような60歳定年までの長期契約ではないと、多くの日本人が理解しているのです。

 現実がこのように変わってきているのであれば、契約そのものも変化する必要があります。そもそも、契約には必ず、双方が契約を破棄するときの条項が記載されているものです。起きることを想定したくないリストラであっても、あらかじめ用意しておかねばなりません。

 起こりがちな認識違いを明文化しておき、破棄することになったら、事前に合意していた方法で契約を終了する。リストラは起きてしまうのですから、こうしておくほうがお互いにとってよほど建設的です。(次ページへ続く)






著者プロフィール
小松 俊明(コマツ トシアキ)

1967年東京生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事株式会社に入社し、鋼管貿易を担当。後に退社後、アジアに単身渡り、マレーシアで出版社を起業し、求人情報誌を創刊。97年のアジア通貨危機を乗り越え、会社を軌道に乗せる。
帰国後、アジア最大の外資系ヘッドハンティング会社、ハドソンに入社。製造業及び消費財を担当し、アジア地区の売上トップ10にランキングされる。国内外のグローバル企業の社長、役員、部課長クラスに人脈を多数持つ。
現在、グローバル企業の管理職採用を支援するリクルーターズ株式会社の代表取締役。
自己啓発やキャリアに関する著書は20冊を超える。代表作「できる上司は定時に帰る」はベストセラーとなり、韓国、中国、台湾でも翻訳される。
キャリアアドバイザーとして、企業、公益法人、公務員、教育機関、各種団体に対し、「新しい時代の働き方」「ワークライフバランス」「モチベーションアップ」「自己ブランディング」等をテーマにした講演、執筆活動を精力的に行っている。






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