A.匿名質問はマナー違反、また警戒されれば回答も得られない
応募に当たって、疑問点などがあれば問い合わせをするのは転職活動の基本ノウハウ。それによって、自分の選択基準と合わない企業への“応募のムダ撃ち”を防いだり、応募条件の許容範囲を尋ねることで“チャンス拡大”を図ったり……求人企業への問い合わせの効用は思う以上に大きい。
ただし、求人企業は必ずしも「問い合わせ歓迎」とは限らないという点は、念頭においておこう。とくに専任の採用担当者がいない中小規模の企業は、とかく問い合わせを煩わしく感じるもの。まして名前も名乗らず、質問への回答を求めるのはマナー違反。転職活動をスムーズに運ぶための問い合わせなのに、悪印象を与えては元も子もない。
実は求人企業には、求人広告を名簿代わりに使った、各種の商材売り込みなどもあるのだ。応募者を装って、採用担当者を電話口に呼び出す、あるいはセールスに役立つ情報を得ようとする……という例も多い。自己紹介もしないまま、業務の詳しい内容や職場環境などを尋ねれば、「本当に応募者か?」と疑われ、きちんと回答してもらえないこともある。
また、もともと中途採用の選考では、業務知識やスキルと同様に社会人としての常識の有無が採否を分けるもの。求人広告をよく読めばわかる内容、企業ホームページを当たればわかるような内容を、「聞いたほうが早い」とばかりに尋ねれば、致命的な結果になる恐れもある。匿名で気軽に答えてもらえるような疑問なら、わざわざ尋ねる必要もないはず。「ささいなことだし」など、自分勝手な考えによる安易な問い合わせは避けたほうが無難なのだ。
問い合わせは実質的な一次選考と考え、基本情報を提供する
業界によっては、「まず電話乞」などと応募に際しての連絡を求める求人広告も目立つ。その場合は、かけた電話で職歴や志望動機を尋ねられ、実質的な一次選考になるのが一般的。たとえ問い合わせであっても、求人企業に電話をかければ似たような扱いを受けるもの。電話をかける際は、手元に履歴書の下書きなどを用意するなど、事前準備をしておくことも大切だ。
電話以外の方法で問い合わせる場合も、考え方は同じ。転職サイトによっては、Web上から求人企業へ「質問」できるしくみも備えているが、そのフォームには質問欄のほかに職務経歴などの入力欄が設けられている。通常のメール問い合わせの場合も、求人企業からきちんとした回答を得るには、氏名はもちろん、応募者としての基本情報を併記するようにしたい。
当然だが、携帯メールの使用は避けたい。またPCメールの場合は、在職中の会社のアドレス使用は厳禁。なおメールは、その文面スタイルや記述内容にスキルが表われやすいので注意。具体的な書き方は、下のサンプルをご参照いただきたい。
問い合わせメールの書き方と注意ポイント
受信側の状況も考えた読みやすい文書スタイルを工夫する
- 受信の際にわかりやすい「件名」を記入する。
- 長い文章を避け、できるだけ箇条書き的な構成にする。
- 記号を上手に使って見出しを設け、段落に分けると読みやすい。
- 文字化けを防ぐため機種依存文字は使わない。顔文字なども厳禁。
- 可読性と受信側メールソフトの強制改行を考え、最大30字程度で改行する。
文面には「問い合わせ事項」のほか必要最低限の情報を記入する
- 時候のあいさつや「はじめまして」などは省き、すぐ本題に進む。
- 「質問」の前に記名。同時に求人情報の入手先、志望職種や応募意思も伝える。
- 質問の意図も示し、どんな回答がほしいのかを明記する。
- 「質問」だけでなく、学歴や職歴の要約など最低限の応募者情報を記す。
- 連絡先は、メールアドレスのみでもよい。




