転職の前には大学・大学院に行った方が得?
「転職を考えるならスキルが必要」と『シュガー社員が会社を溶かす』の著者・田北百樹子さんは強調します。
そのスキルを身に付ける方法の1つが大学・大学院への社会人入学です。あるいは、職業を変える場合、専門学校などよりも大学・大学院に入学する方が有効な場合もあります。
社会に出れば、さまざまなことが見えてきて、大学で学び直したい、という人も多いでしょう。その一方、高い学費や時間の確保などで二の足を踏む人も少なくありません。
そこで本日は大学研究家の山内太地さんにお話をおうかがいすることにしました。山内さんは、学生時代から全国の大学を訪問、現在では日本だけでも約700校、海外でも見学した国・地域は10を越えています。
この12月には『下流大学に入ろう!』(光文社ペーパーバックス)を刊行されました。転職と大学の関係について、率直なところをおうかがいしました。前編・後編の二回に分けてお送りします。
社会人大学・大学院で重要なのは人脈だ

石渡 『下流大学に入ろう!』とはすごいタイトルですね。そこでまずおうかいしたいのは、転職を考える社会人は大学・大学院に行くとどう変わるか、そのあたりをお願いします。
山内 皆さんお心当たりがあるでしょうが、大学生は大学4年間でそれほど勉強していません。新卒入社のときと違い、高い業務遂行能力が求められる転職時は、仕事の面だけでなく、頭の使い方もリセットするべきです。
「大学時代もっと勉強すればよかった」と社会人が思うのは、社会人経験を積み、交渉力や論理的思考力を鍛えた結果であって、学生時代にはそうは考えません。ですから、成長した今こそ、社会人がもう一度大学・大学院に行くことで、さらなるスキルアップが期待できます。
石渡 社会人の中には受験生時代の経験を引きずり、ブランド大学にのみ、行こうとする人もいます。「下流大学」でも特に問題はないですか?
山内 大学のネームバリューが欲しいだけの人は、「上流大学」に行っても成功しないでしょう。大切なのは、教員から「知」を吸収すること、そして学生同士の人脈です。受験業界で二流といわれる大学の社会人大学院には、びっくりするほど著名な教員が在籍し、質の高い教育を提供している例があります。大学の偏差値は関係ないのです。
石渡 なるほど。それほど、こだわる必要はない、ということですね。



