A.応募段階で必要最低限の情報のみ、絞り込んで聞くのが基本
求人企業への問い合わせの意味や方法の注意点については、Q.応募前の問い合わせは匿名でもいい?で記したとおり。そのほか転職希望者からよく相談を受けるのが、応募前に何をどこまで聞けるのか……という質問の内容や範囲についてだ。
求人広告をよく読めばわかる内容、企業ホームページを当たればわかる内容を問い合わせると、致命傷となる恐れがあることは既に述べたが、実は、それ以外にもマイナス印象を与える質問がある。
その典型的な例が、給与についての質問だ。求人広告の給与額は、「20万円以上」「18万~35万円」など、応募条件に合う全員に当てはまる金額で表示するのが通常のルール。そのため、とくに「未経験者可」「第2新卒歓迎」といった募集では、経験者の給与水準がわかりにくいのが実情だ。しかし、「2年間のSE経験がある自分はいくらもらえるか?」といった質問は、リスクが伴うばかりか、まず回答はもらえない。
よくある質問例を「聞けない」「聞ける」で簡単に分類列記すると下のとおり。応募前の質問は、基本的には応募段階で必要な最低限の情報に範囲を絞って尋ねるのがポイント。内容によっては、入社意欲や勤務姿勢を疑われる恐れがあることも知ったうえで、求人企業への問い合わせを行うことが大切だ。
具体的な給与額、待遇条件の細部は面接で確認すること
『聞けない内容』は、いずれも会社選びのうえでは非常に重要な項目だ。事前に確かめたい気持ちはわかるが、求人企業の立場になって考えてみれば、書類選考や面接を経た段階、あるいは採用後でないと安易に回答できない内容でもある。
具体的な給与額は、選考の最終段階で決まるのが普通
給与金額、また昇給や歩合のしくみ・目安額などは、個別の応募者ごとに経験値やスキル、戦力レベルなどについて十分な検討が行われ、評価が出揃った段階で決められるのが一般的だ。通常は、最終面接の際などに求人企業側から設定額についての打診などがある。それ以前に性急に回答を求めれば、立派な志望動機を述べても説得力が半減してしまう。
福利厚生や待遇の質問は、概要程度に止めるのがカギ
たとえば「独身寮あり」の記述に対し、尋ねてOKなのは入居の可否程度。広さやバスルームの有無まで尋ねれば、入社目的まで疑われかねない。諸手当や研修制度、資格取得や独立への支援などについても同様だ。福利厚生や待遇条件の説明は、応募者のスキルレベルや将来目標、扶養家族数などを踏まえて、面接で求人企業から行われるのが普通。その際に詳細を確認するようにしたい。
残業やノルマの質問は、勤務意欲に疑念を抱かれやすい
残業やノルマは、何らかの形で「あって当たり前」。その有無を尋ねるだけでも、仕事への意欲や責任感に危惧をもたれがち。よほどの事情がない限りは、面接で慎重に尋ねるべき質問のひとつだ。ましてや、その実態は採用後の配属先によっても異なるもの。詳細を尋ねれば、回答を得られないだけでなく、応募自体にも打撃をもたらす危険がある。
歓迎される質問内容の場合も、絞り込んで聞くことが重要
『聞ける内容』は、いずれも質問自体が「応募意思の表われ」と感じさせるもの。求人広告やホームページに公開されている以上の詳細な情報についても、比較的スムーズに回答を得られる。だだし、質問の連発は避けること。また質問テーマが細かくなるほど慎重さも求められる。尋ねた内容は、そのまま、採用担当者には「この応募者が重視している事項」と判断されることを肝に銘じておきたい。
担当業務・事業内容に関する質問は、細部にこだわると危険
主要な取引先業界、扱うことになる商材の特色や主力エリア、担当予定の案件の傾向や規模……など、業務に直結する質問を歓迎する採用担当者は多い。求人企業としても、それらを示すことで応募者とのマッチング効率がアップするからだ。ただし「業務報告書は毎日書くのか?」「外回りからの直帰は可能か?」「チームの平均年齢は?」など付帯的な細部の事項にこだわると、採用担当者が抱く印象が一変することもある。
応募条件とのギャップはフォロー情報も添えて尋ねる
よくあるのが「応募条件には合わないが選考対象になるか?」という問い合わせ。しかし、これだけでは聞くまでもなく回答は「ノー」だ。応募条件は目安である例が一般的だが、条件に満たない応募者を受け入れるなら、わざわざ求人広告に記載しない。たとえば、条件とされている技能認定資格は未取得だが、同等レベルの技能があり、それを活かしたこんな業務を任されてきた……など、フォロー情報を添えなくては、問い合わせる意味がない。
入社日などに対する猶予や調整の可否を聞くなら理由も記す
面接の日時調整、採用後の入社日までの期間、また配属先の決定などに関して求人企業側の態勢を尋ねる質問は、率直に言えば「自分の都合や希望に応じてほしい」というアプローチでもある。単に「休日の面接は可能か?」といった聞き方は、とかく自分勝手な印象を与えがち。なぜ、そこが問題になるのかという理由を簡潔に示すことでそれを防止しよう。




