世間でよく言われる「メールは簡潔に」。
ビジネス書などでも、「簡潔に」と書いてありますが、実際のところ、メールを簡潔に書くことにはリスクがあるので、あまりオススメできません。「メールを簡潔にせよ」というのは、あくまでも上司からの指令にすぎないのであって、それをそのまま真に受けて、本当に簡潔なメールを送ってしまうと、それこそ思うつぼなので、うまく使い分けていくことが大切です。
なぜ「簡潔なメールは危険」と言えるのか、どうすれば適切なメールが書けるのかについて、考えていきたいと思います。
「用件は簡潔に」が、上司の本音ではない危険性
「用件は簡潔に」と言われて用件のみを記したメールを送る……。
それは、おつきあいしている相手に、「二度と口聞かないから!もう電話してこないで」と電話をガチャ切りされて、「あー電話しちゃダメなのか」と思って本当に電話しないで放置してしまうくらい危険です。釈迦に説法かと思うのですが、念のために言っておくと、「電話してこないで」というのは、こちらの愛情を試しているので、「電話してこないでって言われたけど、やっぱり電話してしまった」というのが正解なのですが(恋愛って―なんて面倒なんでしょう!)、仕事も同じ。先方が本音を言っているかどうかは怪しいので、考えてみましょう。
たとえば、「用件だけを簡潔に」ということで、簡潔にしたいあまり、言葉足らずになって、上司が「何こいつ」と思ったとしましょう。そこであわてて弁解し、「ああ、俺が『用件は簡潔に』って言ったから、こんなつっけんどんなメールを寄越してきたというわけか!」などとポンと膝を打ってくれる上司だったとしたら、あなたはとても幸せ者であり、今すぐ上司にチューすべきだと思うのですが、そこまで理解ある上司はまれで、やはり普通は心証を悪くすると言っていいでしょう。
たとえば、こんなメールは心証が悪い

これは問題ないですね。ただし、この鈴木さんが、「外出先で油を売っている疑惑」などの渦中の人物であった場合などは、その限りではないですが、通常の連絡は、長々と書いても意味がないので、「本文なし」で問題ないと言えるでしょう。
しかし、たとえばわたしが、今回の連載の記事の送信が遅れるという件について担当の方にメールをするとして、

これは…ちょっとよろしくないですね。もし、あなたがわたしの担当をしていたら、「用件は分かったけど、それだけかい!」という気持ちになるに違いありません。そう、この「それだけかい!」が、仕事において不可視なのですが、実はかなり重要な要素なのです。
用件としては、「予定より遅れて21時に納品する」ということが伝わればOKで、これ以上の情報は不要なはずなのですが、本文に、おわびとか、どういう理由で遅れるに至ったのかなどについて書いてないと、不躾な印象を与えてしまいます。



