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スポーツでもビジネスでも、良い結果を出すためには“ここ一番”というときに、いかに実力を発揮できるかが肝心。そのために有効なのがイメージトレーニングです。十分な心の準備=メンタルリハーサルを行うことで、実際に場数を踏むのと同じように本番に強いメンタル力を鍛えることができます。【バックナンバーはこちら】



目標を達成するための「心の武器」を手に入れる

 当連載ではこれまで「コーピング」と「キャリアプランニング」という2つの大きなテーマを取り上げてきました。ざっとおさらいすると、コーピングは、落ち込んでしまった状態の自分を元に戻すためのストレス対処スキル。キャリアプランニングは、自分の価値観や本当にやりたいことに気づき、自分に合った道に進むためのスキルでした。

 続いて、今回からは「メンタルトレーニング」のスキルについて紹介していきたいと思います。私はいつも「メンタル」のトレーニングを3つに分けて行っているのですが、すでに紹介しているコーピングとキャリアプランニングに加えて、3つ目がこのメンタルトレーニングです。はい、ちょっとややこしいので、本題に入る前に少しだけ言葉の整理をいたしましょう。

 自分をマイナスからゼロに戻していくために必要なストレスコーピング、今現在の自分確認をするためのキャリアプランニング、そして、「なりたい自分」に到達していくために必要なメンタルスキルを、このメンタルトレーニングでは紹介します。

 この3つは、スポーツ心理学における「パフォーマンスエンハンスメント」という考え方に基づいたものです。つまり、「自分という人間の実力を最大限に発揮して人生で結果を出し続ける」ための心のトレーニング方法とご理解ください。

 たとえば遠くの島へ行く場合、泳いで海を渡るのはたいへんなので船に乗りますね。また、高い山に登るときには、ハーケンやザイルなどの登山道具が必要となります。メンタルトレーニングは、この船や登山道具のようなもの。「これを実現したい!」とか「こうなれたらいいなあ」といった自分の目標に向かって、その達成までの道のりを乗り切るための「心の武器」といえるでしょう。

メンタルリハーサルで「本番」に強くなる

 メンタルトレーニングにもいろいろなトレーニング方法がありますが、中でも皆さんがよくご存じなのは「イメージトレーニング」ではないでしょうか。いまやプロスポーツ選手やオリンピック選手の多くが、イメージトレーニングを取り入れています。その目的は、試合などの「本番」で最大限のパフォーマンスを発揮することにほかなりません。

 人間は初めての事態に遭遇すると緊張が高まる、つまりストレスを感じるようになります。そして、ストレスの多い状態では本来の力を発揮することができません。スポーツ選手は試合本番でそのような状態に陥らないように、事前に試合の流れや自分の身体の動き、会場の雰囲気などをリアルにイメージして、本番を何度もシミュレーションしておくのです。

 このようなイメージトレーニングで十分なメンタルリハーサル(心の準備)を行っていれば、本来は初めて迎える本番もまるで「過去に経験したこと」のようにとらえることができ、過度に緊張することもありません。また、さまざまなパターンをイメージして準備しておくことで、急なハプニングにもとっさに対処することが可能となります。

 さて、いかがでしょう。こうしたスポーツにおけるイメージトレーニングの有効性は、そのままビジネスにも当てはまる気がしませんか? たとえば、大事なプレゼンテーションや絶対に成功させたい商談など、ビジネスの世界でも入念な準備を経た上での「本番」といえるような場面がありますね。そんなときに緊張せずに十分な力を発揮するためにも、ぜひイメージトレーニングを活用してみましょう。


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INDEX
緊張するシーンは、事前に想像して「経験済み」にする! ここ一番で実力を発揮するためのイメージトレーニング
目標を達成するための「心の武器」を手に入れる

メンタルリハーサルで「本番」に強くなる

まずはイメージ力を鍛えよう

五感をフルに使ってイメージトレーニングを実践

安易な成功イメージだけではいけません!





著者プロフィール
田中 ウルヴェ 京(タナカ ウルヴェ ミヤコ)

1967年東京生まれ。聖心女子高等学校を経て、日本大学在学中の1988年にソウルオリンピックのシンクロ・デュエットで銅メダル獲得。91年より渡米、米国カリフォルニア州セントメリーズ大学大学院健康・体育・リクリエーション学部修士課程修了。99年からは米国アーゴジー心理専門大学院にて、認知行動療法、スポーツカウンセリングを学び、2000年米国サンディエゴ大学院にて、パフォーマンスエンハンスメント、アスレティックリタイヤメントを学んだ。89~99年日本ナショナルチームコーチ、アメリカ五輪ヘッドコーチアシスタント、フランスナショナルチーム招待コーチなどを歴任。

現在、日本大学医学部兼任講師、筑波大学体育専門学群非常勤講師、日本オリンピック委員会(JOC)情報医科学専門委員会科学サポート部会メンバー、国際水泳連盟(FINA)アスリート委員、日本スポーツ精神医学会評議委員、笹川スポーツ財団評議委員、文部科学省独立行政法人日本スポーツ振興センター評価委員、経済産業省「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」委員、日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士補。

2001年起業。㈱MJコンテス取締役として、6事業部、社員20余名の経営に携わるかたわら、プロスポーツ、オリンピック選手から一般まで広くメンタルトレーニングやキャリアプランニングを指導。企業研修、講演は年間200を数える。著書・訳書多数。近著は、アマゾンベストセラー2位を記録した『「1日30秒」でできる 新しい自分の作り方』(フォレスト出版)。

夫はフランス人。2児の母でもある。






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