もうすぐ40歳 経営層になりたくて転職を決意
3回目の転職をしたのは39歳のときです。転職先は、携帯電話向けのコンテンツ開発とASPサービスを提供するベンチャー企業。人材紹介会社から紹介してもらいました。
最後は、セキュリティシステムを手がけるベンチャー企業と2社に絞り、将来性を基準に判断しました。選んだ決め手は、携帯電話向けのコンテンツ開発とASPサービスという事業に将来性を感じたからです。ちょうど、NTTドコモからiモードが発表されたばかりで、将来性のあるビジネスとIPOも視野に入れた事業展開が魅力でした。
でも、この会社に決めた最大の理由は、社長と直接会って話をし、彼の考え方を直接聞くことができたからです。もう1社は、社長どころか経営陣の面接さえなかったのに対し、この会社ははじめの面接から社長自らが対応し、会社の将来に対する熱い思いを語ってくれました。そして、それに一番心を動かされました。

この3回目の転職先は、私に魅力的な条件を提示してくれました。それは、成果次第では、経営に近いポジションを任せてもらえるということ。そろそろ経営に近いポジションで事業全体に責任を持たせてもらえる仕事に就きたいと考えていた私には、これ以上ない条件だったのです。
経営に近いポジションで仕事がしたいと考えたのには、大きな理由があります。それは、このままSEの仕事を続けても、これ以上自分自身の成長はないと判断したからです。自分の商品価値を高めるためにも、年齢的なことを考えても、そろそろ経営に近いポジションを経験しておく必要があると考えたのです。
とは言っても、当時はまだ確信があったわけでもなく、漠然とそんな思いが頭の中に浮かんでいただけですが……。
経営に近いポジションで仕事がしたいと考えたもう1つの理由は、IPOに対して強い興味があったからです。もちろん言葉自体は前から知っていましたが、2回目の転職先の社長から米国での自分の体験を聞かされ、それ以来強く意識するようになったのです。
そして、ネットベンチャー企業を中心にIPOブームが吹き荒れていることが、IPOへの興味を一層加速させました。IPOで手に入れられるお金も魅力でしたが、それよりもIPOを実現させる感動を自分も味わいたいという思いの方が強かったのです。
開発部門の統括責任者のポストを得る
もうすぐ40歳になろうとしていました。そして3回目の転職。自分の置かれている立場を考えれば、経営に近いポジンションを得るには最後のチャンスかもしれないと思いました。ベンチャー企業以外に選択肢はないとも思いました。そして、組織が未成熟なベンチャー企業なら中途入社でもチャンスはあると思ったのです。
入社直後の私の担当は、開発部門の統括責任者でした。ベンチャー企業にありがちな、社長以外の社員はみな年齢が若い組織だったこともあり、社長よりも1歳年上の私には、社長の右腕としての役目が求められました。それは、当時もっとも勢いのあった、携帯電話販売会社、コンテンツ事業会社、ネットベンチャーなどの取引先を相手にした、ハードではあったものの、とてもやりがいのある仕事でした。
また、企業から直接仕事を請けていたことから、開発部門の統括責任者の仕事以外に営業としての役割が求められたのも、私には幸いしました。SEの経験だけでなく、営業としての経験もあったからです。(次ページへ続く)


