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 「35歳を過ぎたら、転職はむずかしい」そんなふうに考えて、チャレンジをあきらめていませんか? 実際に、35歳から6回の転職を成功させた人がいるんです。その本人による、転職体験記をお届けします(本記事は『エンジニア 35歳からの転職』(翔泳社)からの転載です)。【バックナンバーはこちら



最後のひと押しは「結婚」

 物事には順番があります。転職でもそれは同じです。転職を意識したからといって、それがすぐ行動に結びつくわけではありません。転職を意識することと決断することの間には、目に見えない大きな壁があります。

 会社の状況や自らの置かれている環境に不安や不満を抱いても、ほとんどの場合、転職を決断するまでにはそれなりの時間が必要です。漠然とした不安や不満はあっても、慣れ親しんだ環境から飛び出すには勇気がいるからです。1つの会社に長い間勤めている場合は、特にそうなりがちです。なかなか簡単に辞められるものではありません。

 もちろん、会社が倒産寸前だったり、給与の支払いが遅れがちだったりといった、転職するしかない状況に追い込まれたら、すぐにでも行動に移すでしょう。でも、こんな状況以外では、すぐに転職を決断するようなことはありません。転職を意識した瞬間から、最終的に転職を決断する瞬間までには、意外と時間がかかるものなのです。

 私も、はじめての転職を決断するまでがそうでした。30歳頃から、何となく意識はしていたものの、実際に転職を決断したのはそれから5年後の35歳になってから。5年間も、転職を意識したまま会社に居続けていたのです。

 まわりの転職経験者の話を聞いても、不安や不満だけで転職を決断することはあまりないようです。では、何が転職を決断させるのでしょう。最終的に転職を決断するには、不安や不満以外のプラスアルファが必要です。漠然と抱き続けてきた不安や不満を、転職という具体的な行動へと駆り立ててくれるプラスアルファ。そのプラスアルファがあってはじめて、人は転職を決断するのです。私の場合、そのプラスアルファが結婚でした。

 結婚が、私に転職を決断させてくれたのです。では、なぜ結婚が転職を決断するためのプラスアルファになったのでしょう。それは、経済的な理由です。当時私がもらっていた給与がおそらく年収にして500万円前後。もちろん1人で暮らす分には充分でしたし、贅沢をいえばきりがないこともわかっています。その給与で結婚生活が成り立たないかといえば、そういうわけでもありません。でも、独身時代に続けていた生活レベルを最低限維持したい、できればもっといい生活がしたいと考えると、それ以上の給与が必要でした。

 もちろん、自分を評価してくれない会社への不満もありました。それが転職を決断した理由の1つであったことも否定しません。でも、結婚という人生の転機がなかったら、転職していなかった気がするのです。転職を決断するための何か決定的なきっかけが欲しかった頃に、たまたま結婚という人生の転機が訪れた。そして、それに思い切って便乗して転職した。それが、転職を決断するにいたった紛れもない真実です。

 そして、さらにもう1つ、重要な事件が私の身に起こりました。それは、結婚が決まったのと同時期のことでした。会社に1本の電話がかかってきたのです。電話をとると、それは当時積極的に中途採用をかけていた大手電気メーカー系生命保険会社からの転職の誘いでした。


 
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二度と来ないかもしれない転職のタイミングを逃すな
最後のひと押しは「結婚」

1000万の給与に惹かれて転職を決意




著者プロフィール
伊藤 靖(イトウ ヤスシ)

ビムーブ株式会社代表取締役。1960年生まれ。青森県弘前市出身。自他共に認める紙ジャケCDと音楽DVDコレクター。60~70Sロック・ミュージックを中心に、ジャズ、ソウル、ブルース、ボサノバなど音楽全般に造詣が深い。
オーエムシーカード、ソニー生命保険、NTTデータ、ベンチャー企業数社を経た後、2007年7月にビムーブ株式会社を設立し、2008年4月から本格的に営業開始し、動画配信ASPサービス、「ビムーブVIDEO」をローンチ。
著書に、『完全まるわかり読本 ネット業界・企業』『エンジニア35歳からの転職』『プロマネは見た!』(すべて翔泳社)などがある。






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