人間関係について自信が持てない方は、「なんでも謝る」というスタンスで接している方もいらっしゃるかとは思います。たしかに、威張っているより好感を持ってもらいやすいのはたしかですし、考えるのが面倒な場合はそのままでも概ね問題ありませんが、それがすぎるとかえって怒られたりする場合もあるので世の中はややこしい……。
怒られる低姿勢と喜ばれる低姿勢の2種類があることを念頭に置いていただければ、より安心できる、リスクの少ないサラリーマン生活を送ることが可能になるので、もうちょっと気まずさを軽減したいとお考えの方は参考にしていただければと思います。
「何でも謝れば済むと思ってんだろ」という人への対策
まず、非常にメジャーな意見「何でも謝れば済むと思ってんだろ」について、傾向と対策を考えていきたいと思います。
人間が基本的にはアニマルであり、服従の意を示しておけばだいたい満足する生き物であるとしても、何か問題が起こったときは、さすがに、「次はこんな問題が起きないようにしたい」と思います。つまり、「服従の意は了解したけど、次に同じような問題が起きないという保証をくれないか」という気持ちになっているのに、そこでこちらが服従の意を上乗せしても、感情を逆なでされたような気持ちになるものなのです。
たとえばよくあるやりとりですが、
「大変申し訳ありませんでした。以後気をつけます」
「気をつける……何だ、気をつけたら次は絶対ミスしないの?というか、気をつけて仕事してなかったんだ?」
このように「気をつけます」はNGワードです、というか、「ここ、つっこむところですよ」とサインを送っているに等しいです。
まず、ミスの原因が「サボりにあった」とおおっぴらに言っているようにも聞こえること、しかも、具体策を出さずに「ちゃんとする」と言うにとどまっていること。信頼関係が十分に構築されている関係なら許されるかもしれませんが、ほとんどの場合、不信感を胸いっぱいに抱かせてしまうこと、うけあいです。
「大変申し訳ありませんでした。今回のミスは、初期工程でのチェックの観点が漏れていたので、初期工程の観点として、これとこれを足すことで再発防止にと努めたいと考えております。申し訳ありません。」
たとえ、真実が「適当にやっていた」だったとしても、「チェックの観点が漏れていた」という言い方にすると、「一生懸命やってはいたが、気づけないことがあった」という含みになり、信頼感が増します。
さらに、再発防止策について、具体的に何をすると明言することで、再発が防げるかどうか、先方も判断しやすくなります。もちろん、ロジカルすぎるのも感じが悪いので、適宜謝罪の言葉を挟んでおくのがポイントです。
自虐が過ぎると「そんなことないですよ」を強要することになる
低姿勢でいこうとするあまり、自分の人格そのものを貶める発言をしてしまうことがままあります。わたしも「すみません、汚いオッサンで……」というのが大好きです。
冗談で自分を貶める発言をするのは、場が重くならなくてよいのですが、本気と取られかねない貶め発言は、手厚いフォローが必要になるので、面倒だと考えられがちです。相手が生真面目な人であるほど、親身になってくださって、かえって申し訳ないことになりがちなので、安易な貶め発言は控えた方が無難でしょう。
また、「そんなことないですよ」を暗に要求するような発言自体も控える方がよいでしょう。よく見かける「私なんてパッとしないし…」「そんなことないですよ~」という発言は、よほど褒められたときにバランスを取るために貶めるのでない限りはおすすめできません。
そもそも面倒ですし、相手は「ああ、そんなことないよって言ってほしいんだ、自分はそんなことないって心の底では思っているけれど、なんとなく不安だからそんなことないよって言ってほしいんだ、つまり俺はこの人を承認するマシーンなんだ」と思われてしまうことでしょう。感じの悪い自慢よりはましですが、あくまでも自分を貶めるときは、簡潔にしておくことが、コミュニケーションを円滑にすることでしょう。



