4回目の転職は、大手商社がバックの通信会社に部長待遇で
4回目の転職先は、最後の最後まで迷った挙句、大手総合商社が立ち上げたばかりのブロードバンド通信会社に決めました。
最後まで迷っていたのは、あるベンチャー企業からも誘われていて、どちらを選ぶかで決めあぐねていたからです。誘ってくれたベンチャー企業からは、取締役のポストという魅力的な条件を提示されていたこともあり、一時はそちらに傾きかけたこともありました。でも最終的には、人材コンサルタントが紹介してくれたブロードバンド通信会社に決めました。
大手総合商社が立ち上げたブロードバンド通信会社は、ある意味変わった会社でした。親会社の大手総合商社の資本が100%入っていながら、立ち上げ当時の経営陣はすべて米国人。オフィスもブースできちんと仕切られていて、一見、外資系企業と見間違えてしまいそうな雰囲気。しかも、経営陣の多くは米国にオフィスを構え、そこから日本に指示を送っていました。
でも、そんな経営がうまくいくはずがありません。彼らは何の成果もあげられず、ほとんどが退陣に追い込まれたそうです。
私が入社したのは、経営陣を日本人に総入れ替えした直後のこと。社長には、親会社である商社から、部長クラスの人間が送り込まれてきました。私は、その会社にブロードバンドを利用した新しい事業とサービスを立ち上げる部門の部長として入社したのです。
黙っていても仕事が来るはず…と後ろ向きの転職
では、なぜベンチャー企業の取締役の話を断ったのでしょう。それは、前と似たような環境に飛び込むことに抵抗があったからです。取締役といっても、所詮は使われる身。経営者との相性が悪ければ、3社目と同じことの繰り返しになるのは目に見えています。その会社の経営者をよく知らないこともあって、なかなか踏ん切りがつきませんでした。

一方、ブロードバンド通信会社には、大手総合商社がバックに控えていました。前の会社の組織が崩壊したのも、もとはといえば売上が伸びなかったから。ベンチャー企業の営業力の弱さを肌身で感じていただけに、大手総合商社が後ろ盾なら黙っていても仕事はくるだろう、という甘い考えを抱いての転職だったのです。
いま思い返せば、こんな後ろ向きの理由から転職先を選んだことが信じられません。こんな転職は、これまでで最初で最後の経験です。では、なぜこんな後ろ向きの転職をしてしまったのでしょう。それは、明確な目的がなかったからです。何を目的に転職すればいいかが、わからなかったのです。(次ページへ続く)



