ラクでヒマな4社目 やりがいを感じられず5回目の転職を決意
4回目の転職先のブロードバンド通信会社は、結局10ヵ月で辞めました。勤めていた期間としては、2度目の転職先と並んで最短です。仕事はそれなりに面白かったのですが、仕事に対するプレッシャーや責任という面では、前の会社とは比べ物にならないくらい楽な立場。経営に近い立場から一担当部長になったということもあり、仕事の忙しさも前の会社とは比較になりませんでした。
また、仕事に対する達成感や充実感という面でも、前の会社にははるかに及びません。私が入社した直後から会社がおかしくなりだしたこともあり、会社の成長という面白さを経験することもできない状況だったのです。つまり、仕事上でのやりがいを感じることができない転職でした。
ここまでの話だけを聞いていると、何も得ることのない転職だったんだなと思われることでしょう。でも、それは違います。得るものはちゃんとありました。それは、自分の市場価値を知ったことです。
この転職でたしかめてみたいことがありました。それは、自分の力が新しい環境でどこまで通用するか。そして、この会社にはそれを試してみる環境が十分に揃っていました。
全員高学歴の一流企業で、「自分は通用する」か試される
私が所属していた部門は、新規のサービスと事業の立ち上げがミッションの総勢15名くらいの組織でした。特徴は、それこそ人材の宝庫といっても良いほど、多彩な人材が揃っていたこと。最大手の情報サービス会社や戦略系コンサルティングファームなど、一流企業から転職してきたそうそうたるメンバーが集められていたのです。
全員が高学歴の上、仕事に対してもプライドを持っていました。あらゆる面で、ベンチャー企業だった前の会社とは様子が違っていました。前のベンチャー企業で経験したことが、はたしてこの環境の異なる世界でも通用するのか。それをたしかめるには絶好の環境でした。そして、その手はじめに、新しい部下と一緒に新規事業・サービスの立ち上げに取り掛かることにしたのです。
前の会社では、部下のほとんどが自分で採用したメンバー。ある意味、自分の考え方が反映された組織でした。一緒に働いている部下が、ある程度私の考え方を理解していることもあって、成果を出しやすい環境だったのです。

しかし、今度の新しい会社では、すでにいるメンバーのなかに逆に私が飛び込んでいくことになります。試される方に回るのです。年収1,200万円もらう価値のある人間か、部長としての仕事が務まるかなど、上からも下からも評価される側です。環境が違っても、同じ成果を出せるかをたしかめるには、うってつけの仕事でした。
マネジメント能力を試すにも、うってつけの仕事でした。この仕事に求められていたスキルは、事業・サービスの立ち上げという仕事全体をプロジェクトとして捉え、それを遂行していく能力です。
SEやコンサルタントのように、与えられた業務だけに責任を負う仕事とは明らかに違います。前の会社で経験した、事業部全体の責任を負っていた仕事に近いものでした。(次ページへ続く)



