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シンポジウム「人材の定着・組織活性化に“効く!”短時間正社員」レポート第3回
CAREERzine編集部 [著]
公開:2009/03/30 09:00


2009年3月4日、ベルサール神田(東京・千代田区)にて、シンポジウム「人材の定着・組織活性化に“効く!”短時間正社員」が開催されました。第2部では、『現場イズム』編集長の平田未緒氏が、短時間正社員制度導入の成功事例を挙げました。今回は高島屋の例を紹介します。【バックナンバーはこちら】



高島屋:91年にすでに導入 年間約600名が日常的に利用

 株式会社高島屋は、大阪の本店を始め国内20店舗、海外3店舗を構える老舗百貨店である。正社員6,900名に加えて、約5,500名の非正社員(うちパートタイマー60%強)を擁する同社では、「人を活かす人事制度改革」を掲げ、さまざまな感性や経験を持つ女性の人材活用、顧客視点に立って、個々が能力を発揮できる環境整備などをスローガンに制度整備を進めてきた。

 厚生労働省「仕事と生活の調和推進プロジェクト」モデル企業でもある同社では、機会均等法施行以前の1986年から戦略的な「女性活用」を試み、短時間勤務制度は1991年に導入。全従業員を対象にしたワーク・ライフ・バランスへの取り組みを継続してきた。

 高島屋の短時間勤務制度の中でも、とくに注目したい特色が、

  • 大量の利用者がある
  • すべての雇用者に適用される

 ことだ。同社の制度利用者は最近3年間で1,047名(うち育児1,027名、介護18名、55歳以降2名)に達している。毎年約600名が常時制度を利用していて、社員の間では制度利用はごく当たり前のこととして定着している。

 また短時間勤務制度は原則として正社員が対象になっているが、育児・介護が理由となる場合は有期雇用契約のフルタイム勤務、いわゆる契約社員も利用可能になっている。事実上、フルタイム勤務者のすべてに制度利用の機会が開かれているというわけだ。

複数の勤務パターンから選択可能 社員との評価格差もなし

 高島屋の短時間勤務のモデルを、育児を理由にした場合で見てみよう。「育児勤務A~E」まで5つのパターンがあり、1日あたり最短5時間~7時間35分までの幅で勤務時間を選択できる。始業はいずれも9:50で、終業時刻をパターンに応じて繰り上げられる仕組みだ。

5パターンの短時間勤務(育児)
          育児勤務A 育児勤務B 育児勤務C 育児勤務D 育児勤務E
1日の実働時間(基本パターン) 5時間(9:50~15:35、休憩45分) 6時間45分(9:50~17:20、休憩45分) 6時間45分(9:50~16:35、休憩45分) 6時間(9:50~17:20、休憩45分) 7時間35分(9:50~18:25、休憩60分)
休日日数 年間122日(通常勤務者と同じ) 年間92日 年間122日(通常勤務者と同じ) 年間122日(通常勤務者と同じ) 年間122日(通常勤務者と同じ)
年間労働時間 1,245時間 1,841時間(通常勤務者と同じ) 1,640時間15分 1,458時間 1,841時間(通常勤務者と同じ)

 また処遇としては、給与は実働時間に応じて一定の割合を減額していく。不就労分は不支給である。賞与も、実働時間に応じて一定割合を減額していく計算になっている。

 評価や目標設定に関しては、一般の正社員に比べて特別扱いはしていない。特筆すべきは短時間勤務制度の利用期間も勤続年数にカウントされるため、退職金の支給金額に影響しないという点だ。

 また短時間勤務中でも、昇格に必要な条件を満たせば昇格試験を受験でき、合格すれば昇格できるため、正社員との格差がない。

成果:「女性が働きやすい会社」で人気 良質な人材を確保

 高島屋では早くから短時間勤務制度を導入してきた結果、さまざまな効果がすでに現れてきている。まず離職率の抑制である。従業員の多くを占める女性の継続的就業の環境を整備してきた結果、百貨店・流通業の中でも低い離職率を実現しているという。

 また日経ウーマン誌の「女性が働きやすい会社」ランキングで、ここ20年間継続して上位にランクインするなどの評価を反映して、応募者の質・量ともに良好に推移してきたため、採用力がアップして良質な人材確保に大きく貢献している。

 さらに、組織力の強化が挙げられる。短時間勤務でも昇格の機会が与えられ、部長以上の管理職への登用実績を築くなど、女性のキャリアモデルの創造を進めて内部労働市場の充実を実現し、多彩かつ有能な人材を確保することに成功した。

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