A.マイナス印象を与えないタイミングと話し方に注意
面接に臨んだら、「何を聞かれるのだろう?」「どう自己PRすべきか?」など、選考を受けるための注意ばかりに終始してはいけない。転職では、新卒時の就職のようなOB訪問などないのが普通。多くの転職希望者は、求人広告や企業ホームページなど、応募先側に与えられた情報だけを頼りに会社選びをしているのが実情だろう。
今後の経済生活と職業人生を左右する重要な決断をするには、あまりにも情報が少なすぎる。しかも与えられた情報は、必ずしも正確ではないこともある。選んだ会社は、本当に自分の転職先としてふさわしいのか……。面接はそれを確かめるチャンスなのだ。
入社後に後悔することのないように、面接前に自分の会社選びの基準を再度まとめ、重要項目については、改めて確認することが大切。質問するのを怖がって、不明点、あいまいな点を残せば、たとえ採用されてもリスクを背負うことになってしまう。
質疑応答の流れを読んで、上手に切り出していくのがコツ
本来、雇う側と雇われる側は対等。面接は双方の希望や条件がマッチするかどうかを確認する場なのだから、応募者側からの質問も当たり前。本気で働くつもりがあれば、いろいろ聞きたいことがあるはずだ……。面接担当者の多くも、そんな風に考えているもの。ところが、実際の面接選考では応募者の質問が致命傷になることが少なくない。
マイナス印象を与える原因のほとんどは、切り出し方と話し方の問題であると考えてよい。下に代表的なNG例と基本ポイントをまとめてみた。この4つを参考に、上手な聞き方のコツをつかんでいただきたい。とくに大切なのはタイミングだ。
入社前に確認すべき労働条件の重要事項のほとんどは、尋ねなくても会社側から説明があるのが普通なので焦らないこと。もし、面接の最後まで何の条件説明もなく、尋ねても納得できる明瞭な説明をしてもらえなければ、その会社は“要注意”とも言える。
回答を得るために分野別の確認質問の注意点も押さえておきたい
応募者からの確認質問は、切り出し方や話し方に気をつけて上手に尋ねれば、「入社意欲」や「勤務姿勢」のアピールにもつながる。ただし、「職場の雰囲気はどうですか?」など漠然とした質問では、きちんとした回答も得られず、面接でわざわざ尋ねる意味がない。
たとえば職場雰囲気とは、職場のチーム人数や年齢構成なのか、働きやすさの目安となる平均勤続年数なのか……。知りたい事柄の問題がどこにあり、何がわかればいいのか、自分なりに整理して面接担当者が答えやすい聞き方をすることも大切だ。よくある確認質問は、大きく分けると次の3つ。それぞれの分野の質問の注意点も参照していただきたい。
仕事の内容やすすめ方など……仕事に関する確認
仕事関連の質問は、通常は“熱意の表れ”として歓迎され、回答も得やすい。積極的に聞いてOK。ただし「業務ノートはつけるのか?」「携帯電話は貸与されるのか?」など、些末な事柄にこだわるのは危険。尋ねたことは、応募先企業から「この応募者が重視している事項」と思われることを忘れないようにしよう。
またノルマの有無などは、“逃げ腰の質問”と思われないよう「目標数値があると頑張りがいがあるのですが、御社では」など前振りを入れて聞くが、それだけでは実態はつかめない。ノルマのキツさは数値より管理状況にもよるからだ。その辺を確認するには、目標数値の達成状況、社員の工夫や努力の様子などを尋ねる必要もあるだろう。
給与額や昇給など……お金に関する確認
賃金形態や歩合のしくみなどの質問なら、割合に抵抗なく回答をもらえる。難しいのは昇給のことだろう。まだ働いてもいないのに「いつ・いくら上がる?」などと聞いても「本人の実力次第ですね」と言われるのがオチ。悪い印象を与える恐れもある。
「早く戦力となって貢献し、給与アップを目指したく思います。目標を作りたいのですが、御社で年収500万円程度の方々は、通常、どのくらいの経験を積んでいるのでしょうか?」など、逆方向から尋ねるのも一方法だ。
なお給与金額の交渉は、当然ながら経験や技能、貢献予測などをアピールしたうえで、一般に妥当とされる金額を提示すること。
残業や休暇など……待遇や勤務条件に関する確認
もともと、待遇や勤務条件にからむ確認質問は、「○○があるか」「○○できるか」など、とかく身勝手な印象を与えがち。タイミングや言い方のほか、質問の数にも注意し、重要項目や譲れない条件のみに絞り込むことも大切だろう。
また、残業状況や有給休暇のとりやすさなどの確認は、正直な回答を得るうえでも「残業がイヤ」「休みがほしい」という印象を与えないことが重要。たとえば、「有休の取得ですが、前職場ではメンバーの休みが重ならないようにチーム内で自主的に調整をしていました。そうしたルールや慣例があれば守りたいので、教えていただけますか?」など、面接担当者が実態を伝えてくれるような聞き方を工夫しよう。




