A.山場は3ヵ月間程度、だが全体期間は周辺条件に左右される
転職の際は、途中で妥協することがないよう、行動の手順や方法、タイミングなどを詰めていくため、大まかな転職活動期間の設定が大切だ。よく参考にされるのが、転職体験者へのアンケート結果だ。年代や職種など調査対象による差はあっても、少し前までは「1~3ヵ月程度」の範囲にある回答が中心を占めていたが、最近は「3~6ヵ月程度」の範囲が目立つようになった。同時に、採用されるまでの応募社数が増えていることも心にとどめておこう。
ここで注意したいのは、アンケート回答の「活動期間」とは、応募から選考を経て採用に至る“転職の山場期間”を指すものが多い点だ。山場を越すためのアプローチ方法は千差万別。ドライブに例えれば、目的地やルートが違うようなもの。この山場については「ステップ4」でも記すが、選考期間も応募先により違う。転職先を決めるまでに3ヵ月程度というのも、あくまで目安と考えるようにしたい。
いうまでもないが、同じルートで同じ目的地に向かうドライブでも、かかる時間にはかなりの差が出る。クルマの性能や装備の差、交通規制や渋滞の有無など、周辺条件の影響が大きいからだ。転職活動も、まったく同じ。
実は、活動期間の全体の長さは、山場の通過だけでなく、周辺条件によって大きく左右されがちというのが現実だ。ケースによって「希望に合う求人探し」や「退職時の慰留」で1年以上を費やす……など、準備や調整に予想以上に時間がかかる例も多い。具体的な活動プランを練るうえでは、こうした周辺条件を含めて、自分に必要な大まかな全体期間を見積っておくことをおすすめしたい。
必要な活動期間を見積もる3つの周辺条件チェック
1.希望に合う応募先はすぐ見つかるか?
転職サイトなどから情報収集。漠然とした志望分野の求人量ではなく、自分が重視する希望条件にマッチする求人がどの程度あるかを確認しよう。販売職・営業職より技術職・クリエイティブ職のほうが、応募先探しに時間が必要。状況によっては、4月・12月など欠員補充が増える時期を待ったり、スカウトやエージェント利用も考えたい。
2.採用レベルに見合うパワーや装備は万全か?
志望分野の求人状況チェックでは、応募条件・採用ニーズの把握も必須。選考対象となる条件を備えていなければ、応募も難しい。また、切り札となるスキル・資格の有無、経験や適性のレベルを自己評価することも大切。その結果によっては、スケジュールの中に資格取得やスキルアップの期間を組んだり、万一に備えたブランク資金の準備も必要になる。
3.退職に必要な期間と時期的なタイミングは?
退職意思の表明は、就業規則の「自己都合退職は○ヵ月前に申し出る」など、現職場のルールに従うのが前提。それに加え、業務状況やポストに応じた残務整理や引き継ぎ時間を読むことが大切。退職にかかる期間の読みが甘いと、引き止め工作を受けやすいので注意したい。また時期的なタイミングも重要だ。繁忙期を避けたり、担当プロジェクトの終了時を狙うのは円満退職のポイントだが、それ以外にも賞与時期とのからみ、わずかな勤続期間の差による退職金や雇用保険の失業給付の違いなどにも配慮するとよい。



