
今回は人材育成ベンチャーのFeelWorks代表取締役社長の前川孝雄さんにお話をうかがいました。
前川さんはリクルートに入社後、ケイコとマナブ、リクナビ、リクナビCAFE、就職ジャーナルなどの編集長を歴任。2008年に人材活性化支援を目的としてFeelWorksを設立しました。若手社員育成などのキャリアナビゲーターとして有名な方です。
この前川さんには連載開始からできるだけ早いうちに取材をお願いしようと思っていました。ところが、ここまで後になったのには訳があります。
本が1冊だけならいいのですが、前川さんは刊行点数の多い書き手でもあります。しかもどれもが面白い。
若手社員に特化するなら、『上司より先に帰ったらダメですか?』(ダイヤモンド社/名義は「前川タカオ」)、社内の人間関係に疲れているなら『サバイバル・コミュニケーション術 』(すばる舎)。『頭痛のタネは新入社員』(新潮新書) もタイトルの割には新入社員が読んでも面白いし、組織論という点では『組織『再起動』プログラム』 (ビジネス社)も捨てがたい…。
連載当初は漠然と、ですが一度出た人はそれで終わり、と考えていたこともあり、後々になってしまいました。内幕話をすれば、この連載がここまで伸びるとは思ってもいませんでしたし(笑)。
いろいろ考えた末に、今回のテーマとしたのが「男性社員がわかっていない女性社員」です。前川さんはこのテーマでも『女性社員のトリセツ』 (ダイヤモンド社)を刊行されています。
上司向けの本ですが、若手社員でも男性なら意外さが、女性なら「男は本当にわかっていない」とうなずくこと、間違いありません。2回にわたってお送りします。男性諸氏は心して読むように。
女性社員が「全然わかってない!」と憤るワケ
石渡 フリーランスの私ですが、チームを組んで仕事をするときもあります。リーダー的な立場で切り盛りすることもあるのですが、そういうとき女性ライターにどこまで接したらいいのか、悩みどころです。
『女性社員のトリセツ』で一番ショックだったのは、前川さんが飲み会の席で女性社員から「あなたは全然私たちのことがわかっていない!」とおしぼりを投げつけられた、というシーンです。この「おしぼり事件」をもう少し詳しく教えていただけますか?
前川 確かあれは30歳すぎで管理職になったばかりのことでした。20代後半には本を1冊、自分でプロデュースするなどかなり突っ走っていたときです。30過ぎで管理職になるのは編集職としてはかなり早い方です。しかも、関西の支社から東京本社への異動です。そういう事情もあって、プレーヤーとしての自分を過信していました。
そこで人間関係はゼロの状態なのに、部下にも議論をどんどん吹っかけるなどしていました。ところが、部下の方からすれば、議論ではなく編集長命令。上司の権限を振りかざしているだけ。部下に相談せず、どんどん決めていったので相当フラストレーションを溜めていたのでしょうね。
打ち上げの飲み会も1軒目ではまだ平穏でしたけど、2軒目でどーんと来て、それでおしぼりを投げつけられました。場の空気はその瞬間に凍りましたよ。翌日に仕切り直しを宣言しましたが、まあ修復まではできませんでした。
石渡 聞いていて自分の身にも起こるかも、と怖くなってきた男性読者がいるかもしれません。本の中では、男性社員と女性社員とでは違う部分がある、と書かれています。そのあたり、詳しくお願いします。(次ページへ続く)


