まず仲間を探して、仕事以外の身近なことから始めていくのが早道

では、自分の職場の人間関係や空気がギスギスして困っている場合、いったいどこから手を付けていったらよいのだろうか? いや、そもそも一社員に過ぎない自分に、職場の雰囲気を変えることなどできるのだろうか?
「もちろん1人ではできませんが、他にも『現状を変えたい』と思っている人は必ずどこかにいるはずです。そうした人たちが動き出すきっかけを、どう作るかがカギになります。自分が中堅以上のポジションにいるならば、後輩の様子を見ながら声をかけてみてはどうでしょう。
私がいすゞ自動車でこの問題に取り組んだときは、ある先輩管理職が動き出したのを見て、部長級の人々が何人も賛同し、それがアメーバのように拡がって、大勢の人を巻き込みながら成長していきました」
ストレートに仕事や組織の問題に言及するのは難しいと思ったら、周辺のことから手をつけるのも一策だと手塚氏はアドバイスする。
「『職場をみんなで掃除してみない?』と声をかけて、少しずつ仲間を増やしていくのもいいでしょう。掃除なんていうのは、あたりさわりがないし、しかもコミュニケーション作りには効果的です。清掃費の節約になるなら会社も歓迎してくれるはずです。新人が入ってくる時に、机のレイアウト案をみんなで出し合うのでもいい。管理職に責任をとってもらわなくてよい範囲なら、意外とやれることはあるものです」
理解のない上司からの圧力には、ストレートにぶつからずに対処する
しかし社員が集まって何かやろうとするのは、中間管理職から見ると、ともすれば怪しげに見えるもの。相手によっては、誤解してつぶしにかかってこないとも限らない。
「そういう人間こそ、会社は認めてはいけません。とはいっても、相手が上司だったりすると直接対決するのは決して得策とはいえません。もし本当に不当な手段で妨害したり嫌がらせを受けているのならば、それが人事担当者に見えるように行動してみてはどうでしょうか。上で述べた自主清掃なども職場改善という名目で打ち出せば、表立っての反対はしにくくなるものです」
そこまで意識的に邪魔をする人はそういないだろうが、意外に多いのが、自分の職場が荒れているのに気づいていない上司だ。マイペースなだけで周りを見ていないとか、そもそも自分の立場に自覚のないマネージャーというのはいるものだ。
「こういう人は、他の部署からどう見られているのかを知ると、急に意識を持つようになるものです。自分の家の中には無頓着だけど、他人の目は気になるというのでしょうか。一種の内弁慶タイプですから、直接言ってもなかなかわかってはもらえません。そういう上司ならば、他部署の人にそっと相談してみるのもありです。そうやって周りから指をさされるようになると、気づく可能性があります」(次ページへ続く)



