ネコ型社員は、やる気が見えにくいけれど仕事はやる

石渡 「ネコ型社員」が増えた背景としては、どのようなことが考えられるでしょうか?
山本 頑張ればその努力が報われた高度成長期と異なり、頑張っても夢がかなわなかった事例を若手社員は目の当たりにしています。さらに景気後退で「うまい話」に危うさを感じるようにもなりました。
石渡 ネコと言えば、1日に15時間近く寝ているそうです。どうも、ゴロゴロしているだけで怠けている、そんなイメージを持つ人もいると思うのですが。
山本 生産性が低く、自分のやりたいことだけ追いかけるのはネコ型社員ではありません。私はそうした社員はもどき、または偽ネコ型社員だと思います。ネコ型社員はやる気が見えにくいという欠点がありますが、それでもやるときにはきちんと仕事をします。
ネコ型社員を活かす3つのルール
石渡 日本の企業がネコ型社員を活かすにはどうすればいいでしょうか?
山本 3つあります。まず第一に、自分1人で挑戦できる「砂場遊び」の機会を与えること。力を発揮できたらハードルをあげればいいし、できないときは縮小すればいいのです。
第二に見返りを求めないこと。ネコ型社員は会社や上司に感謝していないわけではありません。ただ、それを表現しようとする感覚が薄いので、その辺は前提として考えておくべきでしょう。
第三に自信を持って甘やかすこと。リスクがありますが、それでも少々の失敗には目をつぶり、何度でもトライさせることです。私はこの「自信を持って甘やかすこと」を実践できた有名人は故・仰木彬監督だと思います。
石渡 イチローや野茂英雄の育ての親ですね。
ネコ型社員代表、イチロー&野茂を育てた仰木流に学べ
山本 ええ、仰木監督のもとで2人は才能を開花させました。彼らはおそらく、会社員ならネコ型社員だったと思います。そしてネコ型社員にしてみれば理想的な上司だったと言えるでしょう。たとえば、イチローは前任の監督から独特なバッティングフォームを嫌われ二軍暮らしでした。それが、仰木監督が就任するとそのフォームを認められ抜擢。すぐに活躍しています。
石渡 そのイチローはWBCではチームリーダーとして侍ジャパンを優勝に導きました。ネコ型社員であってもリーダーシップを取る、ということですね。
山本 ええ。野茂も自ら出資して社会人野球チームを作りました。彼らを見ていると、大物ネコであり、誇り高さを感じます。(次ページへ続く)


