一般的に愚痴は悪いこととされています。善悪の判断はとりあえず措くとして、この連載でも、「ネガティブな話はしない方が世渡り上、お得である」という趣旨の話は何度かさせていただいたと思います……が、それは自分が話すときのこと。実は聞く分には愚痴はどんどん聞いた方がよいのです。一言で言うとそのメリットは、愚痴を聞くと、空気が読めるようになるからです。
今回は、愚痴を聞くことが、仕事でも、プライベートでも、いかに有用かについてお話ししたいと思います。
「空気の読める行動=NGでない行動」と考える
まず、前提として、愚痴を聞くことと空気の読める言動を取るための関係について考えてみましょう。
「空気が読めず、適切な行動が取れなくて困っている」という方は、「空気が読めるとはどういうことなのか」ということを真正面から考えるのは難しいのではないかと思います。そこで、「これはNG」というのを一つずつ覚えていくようにすれば、少しずつですが前進できるのではないでしょうか。
空気が読めるように見える人も、最初は「NGな行動とは何か」を学習していくことから始めており、覚えていくうちに、ぼんやりと「空気とは何か」というのが見えてきたのです。ここで、NGな項目をどうやって学習するかというと、それが他でもない「愚痴」からなのです。
愚痴を聞くと、空気が読めるようになる
人の愚痴などを聞いて、どんなメリットがあるのやら、とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、それは愚痴を聞き流しているからです。何度も聞いた話なら聞き流してしまってOKでしょうけど、愚痴というのは、「何が本当にNGなのか」ということを知る絶好の機会なのです。
たとえば先輩が、
「ちょっと聞いてくれよ…新人の○○くんっているじゃない?配属されたときの挨拶で、『実務に入れる日を楽しみにしています…』と、いけしゃあしゃあと言ったらしいよ…おまえは社長かと」
などと言ったら、心の耳で聞いておくとお得かもしれません。
この先輩はちょっと沸点低すぎかもしれませんが、自己評価の高い新人さんが仕事についてポジティブに語るとこのように怒りを買いそうですが、この愚痴から「新人が『仕事が楽しみです』と表現するとムッとする人がいる」、ということが学習できますよね。
すでにご存じかと思いますが、念のため解説させていただきますと、自分が楽しみかどうかより、先に、組織にとってどういう利益があるのかという話と、先輩方へのお願いが入っていないとまずいですよね。「一日も早く一人前に仕事ができるよう努力しますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」と言うのが無難です。
「愚痴=ホンネが聞けるチャンス」と考える
また、面と向かって人の問題行動を注意しないタイプの人もいます。しょげないように気を遣っているのか、あるいは単に気が小さいのかは人によるとは思うのですが、陰でブツブツ言う人のブツブツを聞きのがすのはもったいないです。そのブツブツにこそ、その人のホンネが含まれているので、しっかり聞きとって、その人のNGがどこにあるのか、またそのNGはその人特有のNGなのか、あるいは一般的にNGなのかについて考えながら行動していけば、「この人と一緒に仕事をしていてよかった」と思ってもらえるようになります。



