「一緒にやらないか」と誘われ、「必要とされている」とじんわり感激
そして、いま(注:執筆当時)の会社に転職しました。通算6回目の転職になります。はじめて転職したのが35歳。そして、9年間で6回の転職。我ながら感心しています。6回も会社を変わったことを。そして、妻にも感謝しています。不満も言わずについてきてくれたことを。
思えば、結婚したのが35歳のときですから、転職の歴史がそのまま夫婦の歴史でもあるのです。この最後の転職(最後にしたいと考えています)は、ちょっと表現は悪いのですが、いままでの転職のなかでもっとも楽な転職でした。なぜなら、転職活動をする必要がなかったからです。いまの会社の経営陣の1人に誘われ、縁があって入社したのです。
誘ってくれた人をYさんとしましょう。Yさんとは、3回目の転職先のモバイルベンチャー企業からの付き合い。はじめての出会いからもう5年になります。
当時、Yさんは私が勤めていた会社の大事な取引先の責任者でした。システム開発の仕事を、私が勤めていた会社に度々発注してくれていたのです。もともとは、仕事を通じて知り合ったのですが、私が会社を辞めてからも交流は続いていました。半年に1回くらいの割合で、会ってはお互いの情報を交換し合い、いつの間にか仕事の悩みを相談し合う間柄になっていました。その間、私は2回、Yさんは1回転職をしました。
2人の関係が大きく動き出したのは、いまから2年ほど前です。Yさんから新しい会社を立ち上げたという連絡がありました。社長はもちろん、いまの会社の社長。そして、そのとき立ち上げた会社がいまの私の勤務先です。
それから数ヵ月後、今度はYさんから話があるので会いたいというメールが届きました。そして会って話をしている最中に、突然Yさんが「一緒にやらないか」と言い出したのです。

あまりに突然だったこともあり、私は答えに窮しました。当時はまだ転職したばかりで、会社を辞める気がなかったからです。そのときは、丁寧にその申し出を断りました。
大手SIer の仕事が面白かったわけでも、会社を辞めるのが持ったいないと思っていたわけでもありません。ただ単に、まだ転職を決断する気持ちになれなかったのです。いま思えば、機が熟していませんでした。
でも私は、そのYさんからの誘いが嬉しくてたまりませんでした。なぜなら、自分を必要としている場所が他にもあることがわかったからです。それが私を勇気づけてくれました。
自分を必要としている場所で働くことは、仕事をする上で非常に大切なことです。できることならだれしも、自分を必要としている場所で働くことが望ましいからです。 その理由を説明しましょう。(次ページへ続く)


