勉強の成果が出ないのは、「真似」をしていないから

私の新刊、『仕事ができる人は、仕事ができる人を真似ていく』(講談社)の内容から話をさせていただいている連載の第2回目です。
前回は「真似して成長するシステムを、自分の中につくりあげよう」ということを述べました。なぜなら真似をする以外に、私たちは「新しいこと」を身につける手段を持っていないのです。物心がついたばかりの子どもは、必死になって大人の言動を真似ようとしますが、これも究極的には「生きる能力」を身につけるためでしょう。
逆にいうと、「真似する」というプロセスを経なければ、「成長することができない」ということになります。そこで普段から「勉強」という名目で私たちが行なっていることを、あらためて見直してみてほしいのです。
じつは拙著、『なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?』(アスペクト)という本で、この問題を指摘しています。
毎日毎日、一生懸命にビジネス書を読んで、「勉強」をしている人がいる。あるいは著名な先生のセミナーに足しげく通い、「勉強」を繰り返している人がいる……。
非常に熱心で感心するのですが、よくよく考えると、もう何年もその人を見ていて、実際の仕事には何の変化も起こっていないように見える。「新しい事業を起こした」という話はおろか、「会社で出世した」なんていう話も聞かない。あれだけ一生懸命に「勉強」しているのに、なぜなんだろうな?……と思ってしまいます。
その理由は、やはり「真似」ができていないことです。
自分の成長力を一気に高める「見本探し」のコツ
「真似」は必ず、「実行」を伴うもの。つまり仕事について学んだことであれば、実際の自分の仕事の中で、言われた通り、見た通りのことをやってみる。でなければ、「真似した」とは言いませんよね。
つまり、何らかの形で学んだことを「自己体験」として実行する。これが即ち「アウトプット(出力)」になるわけですが、どんなスキルであれ、考え方であれ、何からの形でアウトプットをしなければ、学んだことを「生かす」という形にはなりません。
けれども多くの人は、本でもセミナーでも、「いいことを知った!」「感動させられた!」という気持ちにはなるのですが、それが「いつもの仕事」には反映されない。「インプット(入力)」だけで、アウトプットをしていないのです。それでは「学んだこと」が、「成長すること」につながらないのも当然でしょう。
もちろん私は、「ビジネス書」や「セミナー」を否定するわけではありません。そうでない人もいるでしょうが、やはり私たちは「成長したい」と思っているわけです。だから一流の経営者であったり、カリスマと賞賛されるコンサルタントさんに憧れたりします。
「真似」ということは意識されないかもしれませんが、やはり私たちは「見本探し」に熱心になってしまうのです。
しかし一流の経営者さんにその業界で勝ち抜いた秘訣を聞いても、カリスマ的なコンサルトさんがその経験に裏打ちされた信頼性で成し遂げているやり方を聞いても、そのノウハウがそのまま私たちに活用できるわけではありません。
結局、私たちは「どうやって真似するか」の部分で、いつもつまづいてしまう。だから勉強を、なかなか自分の成果に結び付けられないのです。
そこでどうするかといったら、「見本らしい見本」を外から眺めて研究しているだけでなく、もっと「現在の自分自身」にスポットを当ててみることです。
「いったい自分はどんなことを成長させたいのか?」
「そのためには、どんなことが『真似できること』なのか?」
「見本を探して真似る」のではなく「真似たいことから見本を探していく」という逆発想ですが、そうすることによって、自分の成長力は一気に高まっていきます。(次ページへ続く)



