「シュガー社員」の著者、今度は「ブラック企業」について語る

この連載も今月で8ヵ月目を迎えました。これも読者の皆さんのおかげです。今回は、連載開始当初にご登場いただいた田北百樹子さんに、再度インタビューをお願いしました。
田北さんの本業は社会保険労務士です。その経験を活かして、『シュガー社員が会社を溶かす』(ブックマン社)を執筆、2007年に刊行されると、大きな話題を集めました。昨年10月にはPHP研究所から『「シュガー社員」から会社を守れ!』、今年4月には『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)と続いています。
今回のテーマは、最新刊の『ブラック企業とシュガー社員』についてです。
シュガー社員とは、「自分に甘く自立心に乏しい社会人」のことです。自分に甘いので会社の上司や先輩社員にとっては腹立たしく迷惑なことこの上ありません。その実態をまとめた同書は上司・先輩社員の世代には共感が、若手社員の世代からは反発が強かったようです。
ブラック企業とは法令違反などが当たり前、かつ社員にも不当な労働や不法行為を強要するトンデモ企業のこと。実際にそうした企業が多いのも事実です。
シュガーのようなトンデモ社員から見れば、自分に厳しい企業はすべてブラック企業でしょうし、ブラック企業から見れば、すぐに文句を言ってくる若手社員はシュガー社員にほかならないでしょう。
共通するのは、どちらも何の疑いもなく「自分は正しい。相手が間違っている」と主張する点です。しかし客観的に見れば、どちらにも少なからず「非」があるはず。
田北さんは『ブラック企業とシュガー社員』で、どちらかの立場に肩入れすることなく冷静に分析し、改善策を提示しています。今回は、本の内容を踏まえながらお話をお伺いしていきたいと思います。
ちなみに、シュガー社員とは何か、自分がシュガー社員かどうか知りたいという方は、先に紹介した田北さんの本を読まれるか、あるいはブックマン社のHPに「シュガー社員チェック表」がありますので、参考にしてください。
傷つきやすい若者の皆さーん、怒られてもめげないで
石渡:田北さんは、J-CASTニュースで「シュガー社員がやってきた!」(2008年10月~2009年5月)という連載を持たれていました。ネット連載、という特性もあるのでしょうが、毎回、感情的なコメントが付いていたことを覚えています。
裏を返せば、それだけ若い世代はシュガー社員かどうか、という点に強い興味を持っているということでしょう。コメントには「要は田北さんは若者が嫌いだと…」などとありましたが、その点はいかがですか?
田北:あとがきにも書いたことですが、若者叩きをしているわけではありません。むしろ若い方は大好きです。ただ、会社側や上司・先輩社員からどのように見られているのか、それは知って欲しいと思います。その上で反発したり落ち込んだりするのではなく、発奮して欲しいと思います。
石渡:発奮してくれればいいのですが、そうでない若手社員の方が多いと思います。シュガー社員とまで言わなくても、何かちょっと言っただけでめげてしまう、とでも言いますか。
田北:確かにそうした面はあるでしょう。「ダメだ」と否定されてめげない社員は、30代半ば以降。それより若い世代は、傷付く人の方が多いでしょう。しかし、叱るのは期待を持っているからこそ。あきらめられて無視されるほうが辛いと思います。(次ページへ続く)


