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 夏休みなどの長期休暇は、資格取得やスキルアップに向けて情報を集めるいい機会です。そういえば、もともと石渡さんの専門は「大学」でした。時間と学費をムダにしない大学選びについて、大いに語っていただきましょう。【バックナンバーはこちら】



もう一度勉強したい!社会人のための「使える大学」の選び方

 これからしばらくは、実社会で役立つ知識を身につけるため、再び学校へ行きたい!という社会人の皆さんに、拙著『進路図鑑2010』(光文社)で集めたデータをもとに、「使える大学」の情報をお届けします。資格を取りたいとか、異業種への転職を考えている人にも役立つでしょう。第一回は新司法試験です。

 一度社会に出てから、弁護士など法曹界に進もうと考える社会人は少なくありません。そして、新司法試験とそのための法科大学院は、そうした社会人を後押しするための制度です。このあたりは、本連載の第7回「社会人大学には『下流大学』がオススメ?(後) 司法試験合格とMBA取得ならココへ行け!」などでもお伝えしました。

 ここで、新司法試験制度についてのおさらいです。新司法試験を受けるためには、まず法科大学院に入学しなければなりません。

  1. 法科大学院を受験、入学する
    法学部卒業程度の場合は既修者コースで教育期間は2年間
    法学部以外の場合は未修者コースで教育期間は3年間
  2. 法科大学院修了すると法務博士の学位と新司法試験の受験資格が得られる
  3. 修了後、5年以内に3回まで受験可能
  4. 合格すれば、司法修習生となる。教育期間は1年間
  5. 司法修習生考試を受験、合格すると弁護士(または裁判官、検察官)になれる

 これを踏まえて、社会人が法科大学院を選ぶポイントをお伝えします。

ポイント1:法学部への編入学を考える

 まずは、法科大学院以外の話から。もし、法学部以外の出身者で新司法試験を考えるなら、いきなり法科大学院を目指すのではなく、法学部への編入学を検討してみてください。

 というと、「法科大学院は、法学部以外の社会人でも弁護士になるための制度なんでしょ?」と思われるかもしれません。上のおさらいでも、「法学部以外の場合は未修者コースで教育期間は3年間」と書きましたし。

 しかし、残念ながら法学部出身者の優位はいまだに続いています。法務省発表の資料によると、2008年司法試験の平均合格率は33.0%、法学部出身者が多数を占める既修者コースは44.3%に対して、未修者コースは22.5%と大きな差が出ています。

 「法学部出身者が多数を占める既修者コース」とさらっと書きましたが、事情を知らない方がほとんどでしょうからご説明します。

 実は法学部出身者でも、法学部以外出身者でも、既修者コース・未修者コースの選択は自由です。そのため、法学部出身者で未修者コースに進学する人、法学部以外の学部出身で既修者コースに進学する人もいます。後者はさすがにハードルが高いのでごく少数ですが。

 実は未修者コースにも法学部出身者が多数いる、と言われています。それは新司法試験が難しく、法学部卒業程度の知識があっても、2年間では太刀打ちできないと考えるからです。

 しかも心司法試験は、修了後に何度でも受験できる制度ではなく、上の(3)でも説明したとおり、「5年以内に3回」という制限がついています。もし、3回受験して不合格なら、受験資格を喪失。もし再度受験したいなら、もう一度法科大学院に入学しなければなりません。

 だから、もし「社会人で法学部卒業程度の知識はない。でも法科大学院の未修者コースに進学すればどうにかなる」と考えている方がいれば、それは甘い見通しだとお伝えしなければなりません。

 時間と費用をかけてでも、法学部に編入学をする、あるいは科目等履修生(特定の科目だけ履修する制度)となって、法学の知識を修めるべきでしょう。

ポイント2:3年制ではなく、7ヵ年計画で臨め

 法学部に編入学をして法学の知識を修めても、目指すべきは未修者コースでしょう。繰り返しますが、新司法試験の難易度はきわめて高く、まして、3回不合格なら受験資格を喪失するという厳しい制度です。

 法学部出身者ですら、一部が未修者コースを選ぶほどなのですから、社会人はおとなしく未修者コースを選択しましょう。法学部で2年間、法科大学院未修者コースで3年間。それから2年間は法科大学院の受験準備、ならびに法科大学院在学中に休学して試験予備校に通うなどの予備期間も考慮すべきです。合わせて7年。

 あなたが記憶力抜群で一度読んだ本はすべて暗記できる、という超人でない限りはそれくらい長期間の計画を立てるべきです。(次ページへ続く)


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INDEX
社会人のための「使える大学」の選び方【1】 司法試験で一発逆転!就職にも強い法科大学院はここだ
もう一度勉強したい!社会人のための「使える大学」の選び方

ポイント1:法学部への編入学を考える

ポイント2:3年制ではなく、7ヵ年計画で臨め

ポイント3:合格者数ではなく、合格率で選ぶ

ポイント4:弁護士開業以外の方法を検討する

ポイント5:司法プラス専門知識で差別化せよ





著者プロフィール
石渡 嶺司(イシワタリ レイジ)

1975年北海道札幌市生まれ。私立北嶺中・高等学校、代々木ゼミナールを経て東洋大学社会学部社会学科に入学。卒業後、派遣社員、無職、編集プロダクション勤務ののち、2003年にライターとして独立。以後、大学・教育問題や学生の就職活動などを中心に評論・執筆活動を行う。全国の大学を見学して回り、2008年現在、300校を超える。著書は『転職は1億円損をする』『最高学府はバカだらけ』のほかに、『進路図鑑2010 』(光文社ペーパーバックス)などがある。2008年11月に刊行の『就活のバカヤロー』(光文社新書)が10万部を超えたほか、過去の著作はすべて書き下ろし・黒字化していることが自慢。

「ライター石渡嶺司のブログ」

 






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