事業の黒字化・現地化で、真の経済的自立を目指す

村田氏が共同代表を務めるかものはしプロジェクトでは、農村の貧困家庭に職業訓練と雇用の機会を与えるコミュニティーファクトリー事業を今後も強化・拡大していく方針だ。その具体的な目標として、村田氏は前編で触れた受け入れ人数の拡大に加えて「事業の黒字化と現地化」を挙げる。
「2011年度にはコミュニティファクトリー事業を単月黒字化すること、そして、日本人スタッフがいなくても現地の人たちで自立的に運営できる体制を作ることを目指しています。両方を達成するのは、正直なところかなりハードルが高いのですが、その実現に向けて組織づくりなどの準備を進めているところです」
かものはしプロジェクトでは、村田氏とともに青木健太氏、本木恵介氏が共同代表を務めている。これまでは村田氏と青木氏の2人が日本での活動を統括、本木氏1人がカンボジアに駐在していたが、2009年からは青木氏もカンボジアに入り、現地での意思決定を共同代表2名でスピーディに行う体制を整えたそうだ。
カンボジアの児童買春は減少傾向、今後は他国での展開も
さらに新たな展開として、カンボジア以外の国へ進出することも視野に入れているという。
「スタッフの調査によって、カンボジアの児童買春は減少傾向にあることがわかりました。これは、2008年に児童買春を取り締まる法律ができ(反人身売買法の改正)、アメリカ政府の働きかけ(問題への取り組みに応じて政府支援資金を削減・拒否する)で法執行力も強化されたことが大きく影響しています。売春宿が営業できなくなったり、子どもを買おうとした買春者が摘発されるケースが増えたことで、児童買春の『需要』が大幅に減っているのです」
もちろん、減少傾向にあるとはいえ、カンボジアの児童買春やその原因となる貧困の問題が完全に解決したわけではない。楽観視できる状況ではないからこそ、かものはしプロジェクトではコミュニティファクトリー事業を強化してくのだが、「今後はそれに加えて、買春者の摘発など法執行を支援している他団体との連携を強化したり、児童買春・人身売買問題が深刻な状況にある他国での展開も考えていきます」と、村田氏は語る。(次ページへ続く)



