デザインより人材を動かすおもしろさに目覚める
エクイエントは、米国ボストンに本社を置き、世界18か国、73拠点に展開するグローバルな人材エージェンシーだ。コンピュータグラフィックスの草創期に創業された背景からクリエイティブの分野に強く、現在は「クリエイティブ」と「マーケティングコミュニケーション」を二本柱として、デザインから広告・マーケティングまで、幅広い範囲での人材紹介を手がけている。
同社で人材エージェントとして活躍する小島幸代さんに、同社のビジネスやご自身の仕事、そしてウェブマーケティング業界の採用事情などについてお話を聞いた。

小島さんがウェブビジネスの世界に入ったのは、大学のデザイン学科を卒業した1999年のこと。ちょうど世の中にMacintoshやWindows98などのPC環境がひろがり、インターネットが一般に知られ始めてきた時期だ。
「もともとものづくりが好きでデザイナー志望だったこともあり、これからはウェブの時代がやってくると感じて、就職のためにさっそくウェブの専門学校に入学したんです」というから、やはり先見の明があったのだろう。修了後はウェブ制作会社に入社し、ウェブプロデューサー兼デザイナーとして、企業サイトを中心にさまざまなウェブサイトを手がけてきたという。
そうした制作側の人材だった人が、どうして今のような「人材を動かす」立場に変わっていったのだろうか。
「当時はウェブといっても、まだまだ世の中の人は何も知らない状態でした。なので、営業担当者に同行してクライアントのところに行っては、『そもそもウェブとは……』といったところから説明しなくてはならなかったのです。そんなことを繰り返しているうちに、気がついたらデザイナーというよりはウェブプロデューサーになっていたんですね。そうするうちに今度はデザインよりも、そのための人のコーディネートの方がおもしろくなってきていました」
プロジェクトメンバーをコーディネート
そこで5年前、人材エージェントである現在の職場に移ったという。
「現在の自分の仕事では、求人されるお客様が何を求めて、どこをゴールになさっているのかを見極めていくように心がけています。同時に、たんなる『デザイナー』といったポジションの要望に当てはまる人を紹介するのではなく、お客様のプロジェクト全体の中で、どんな人材が求められているのか、大きな視点で考えるようにしています」
そうした真摯な姿勢が、じわじわと“小島ファン”を増やしていった。それが大きく花開いたのが、3年前に担当したあるクライアントの仕事だった。
「ブログのプロジェクトだったのですが、当時はまだブログのはしりということもあり、お客様側はどうしてよいのかわからない状態でした。そこで、約10名の担当スタッフを私の方でコーディネートさせてもらいました。これがきっかけで、この時のメンバーやお客様側の担当者もまじえて、コミュニティがいまだに続いているんです。通称、『小島組』(笑)。これは、本当にありがたいことだと思っています。ウェブの世界では、いま応募されている人材の方が、将来どこかに入社したり起業して、今度はクライアントになるというのもめずらしくありません。そういう意味でも、人と人との結びつきは私の大きな宝物ですね」



