今回は株式会社インテリジェンスの執行役員・原野司郎さんにインタビューをしました。転職市場の現状がどうなっているか、同社独自の求人倍率を元に説明してもらいました。転職をお考えの皆さんは参考にしてみてください。
09年6月時点で求人倍率0.7倍 IT系は1.0倍と高め
石渡:この転職求人倍率ですが、どのような数値でしょうか?
原野:弊社で取り扱う転職支援サービス登録の個人求職者と、法人企業の求人数を元に算出した数値です。弊社のサービス利用者は大都市圏のホワイトカラー層が中心です。そのため、転職マーケットにおける需給バランスを示すもの、と言えるでしょう。
石渡:なるほど。これによると、2009年6月現在で全体の平均が0.7倍。この数値はどのような意味を持つでしょうか?
原野:5月、6月と2ヵ月連続でわずかながら改善しました。2009年以降、減少を続けていましたが、ここが底でさらなる大幅な減少はないでしょう。とは言え、転職市場が厳しい状況にあることは変わりありません。
石渡:時系列で見ると、2008年8月までは1.2~1.3倍を前後していました。それが2008年9月に1.15倍に減少。10月にやや回復するものの11月以降は下がる一方だったと言えます。これはアメリカの金融危機による影響が強かった、ということでしょうか?
原野:はい。すぐに影響は出なかったものの、2009年1月以降、金融、製造などの求人案件が減少しました。これが求人倍率を下げる要因になっています。しかし、最近では一部企業から50人規模の大型採用が出てきました。競合企業や大手企業などからの人材を狙った戦略的な採用も目立ちます。繰り返しますが、求人倍率は下げ止まり、今が底、という印象を持っています。
石渡:業種別ですと、まず目に付くのが、メディカル系が3.18倍と高く出ていることです。
原野:メディカル系は、それほど景気変動を受けにくい業界である点がまず特徴です。大手製薬メーカーから新薬がリリースされ、営業マン(MR)の求人が増えました。それから薬剤師の需要が高いことも影響しています。
石渡:薬剤師ですか? 薬事法改正により、薬剤師の業務は一部が登録販売者でも可能となりました。ですので、需要はむしろ減ると思っていましたが。
原野:中長期的にはともかく、短期的にはまだまだ需要があります。
石渡:次に高いのがIT系で1.0倍。これはどう見ますか?
原野:IT系ですと、やはり景況感の影響が出にくい、という事情があります。一度動き出したプロジェクトをすぐやめる、というわけにはいきませんし。IT大手企業だと、大きなプロジェクトによる求人がいまだに旺盛です。
石渡:その他の業界はいかがでしょうか?
原野:金融は1月頃までは求人数も多数ありました。今でも求人はありますが、極端に増えているわけではありません。(次ページへ続く)




