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 『図で考えるとすべてまとまる』の著者・村井瑞枝さんは、アートスクール出身のコンサルタントというおもしろい経歴の持ち主。これまでのキャリアと、節目節目でどう決断したかについて、お話をうかがった。



『図で考えるとすべてまとまる』著者、村井瑞枝さんのキャリア

 「因数分解」や「マトリックス」など、図版のテンプレートを示し、その形に落とし込むことで思考を整理することを解いたビジネス書『図で考えるとすべてまとまる』。その著者で、現在はレストラングループの戦略プロデューサーとして活躍する、村井瑞枝さんのキャリアは興味深い。

 高校卒業後、慶應義塾大学など難関私立大学に合格するものの、料理の道を選択する。調理師学校で調理師免許を取得した後は、米国のブラウン大学へ留学。アートを学んだ後、日本に帰国、就職先として選んだのは外資系銀行のJPモルガンだった。そこからボストンコンサルティンググループに転職し、コンサルタントとして活躍した。こうした経歴から、ビジネスと料理の2つを専門分野に持つ、今の村井さんが出来上がったのだ。

 傍から見れば一貫性がないように思えるキャリアだが、村井さんはキャリアの節目節目でとことん考え抜き、最適な道を選んできた。

 「もともと料理やレストランビジネスにとても興味がありました。それで調理師学校へ行ったのですが、料理の現場では、体力も重要。私にはそれが足りなくて、料理の世界でやっていくには『頭』を使ってかかわったほうがいいなと思いました。そこで大学に行ったりコンサルティング業界を経験したりすることを選択しました。

 入学したブラウン大学でアートを専攻したのは、ネイティブにかなわない英語での直球勝負をしないため。就職の場として日本を選んだのも、当時不況だった米国を避け、『米国で学んだ日本人』が欲しい日本の外資系ならパイがあると思ったからです。

 競争相手の多い、底辺の大きなピラミッドのトップを狙うのではなく、少しテーマをずらして、細いピラミッドを探すんです。競争相手がたくさんいるピラミッドで戦っていても、つらくて結果も出しにくい。知らないうちに体力も時間も気力も消耗してしまいます。だから自分の得意な分野に持っていくことで、自分の力を最大限に生かせる場所を見つけるのです」

競争相手が多い分野で少ないパイを奪い合うのでなく、少しテーマをずらして「貴重な人材」になる

自分のパフォーマンスが高まる環境を作り出すため、努力する

 そのやり方は、職場での立ち回りにも表れる。

 「コンサルタント時代には、合う上司と合わない上司、どちらのチームも経験しました。上司によって自分のパフォーマンスがまったく違って、私は働く上で、『人』の要素が大きく作用するとわかったんですね。

 だからよりよい仕事をするために、自ら働きやすい環境を作ろうと努力しました。『このプロジェクトにかかわりたい』『あなたのチームで働きたい』と上司などにアピールして、働きかけましたね。自分が力を発揮できる場所を見極めていくのは、とても重要なことだと思います」

 こう話を聞くと、器用にスイスイとキャリアを築いてきたように見えるが、苦労もしたという。

 「美術やコンサルティングのバックグラウンドを生かして、図の描き方の本を書いた私ですが、最初の頃は『1枚も書けない…』みたいな時代もありました。でも、上司が一から教えてくれるわけでもありません。だから、他人の資料を見て勉強して、とにかく数こなしていくうちに、『こういう考え方のときは、この図に落とし込めばいいんだ』という、フォーマットが見えてくるようになりました。

 キャリアも同様で、いま振り返るから物語があるように見えますけど、節目には追い詰められて、必死で考えていました。たとえば新卒でJPモルガンを受けたときには、アート系出身者は専門外ということもあって、入社試験は準備に準備を重ねて臨みました。もし私に、東大卒で経済を勉強しているというバックグラウンドがあったら、たぶん、あそこまで考えて準備はしなかったと思います」(次ページへ続く)


 
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INDEX
『図で考えるとすべてまとまる』著者に聞く 戦略的に貴重な人材になる方法
『図で考えるとすべてまとまる』著者、村井瑞枝さんのキャリア

自分のパフォーマンスが高まる環境を作り出すため、努力する

未経験の仕事でも、「なんでもやる」の気持ちで一歩踏み出す

たくさんある情報の中から、自分の基準を見つけ出せ







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